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GT2835Rツインターボで600馬力を誇る真紅のRX-7
サイドポート+ツインターボは純正タービンに迫る扱いやすさ!
藤田エンジニアリングが開発したオリジナルボディキット「AFFLUX ver.V」で身を包んだ真紅のFD3S。
新車時代からワンオーナーというこのFD3Sの走行距離は、何と30万キロオーバー。確かにクルマは走ってナンボのものではあるが、普通に考えれば走行性能を維持するための限界をとうに超えていてもおかしくない。
しかし、定期的なフルメンテナンスを繰り返したこのFD3Sからは、過走行車にありがちな疲労感のようなものは微塵も感じられない。オーナーの深い愛情を受けながら、大切に育てられてきたであろうことは容易に想像が付く。細部を見ていく。
心臓部の13B-REWは、フジタエンジニアリングでエンジンオーバーホールを行なった際に、仕様を高速クルーズ方向へとシフト。TO4Rシングルターボ仕様からGT2835Rツインターボ仕様へと大きく変更された。
縦に並んだウエストゲート式のGT2835Rタービンが、戦闘力の高さを物語る。排気系のレイアウトスペースが乏しく熱もこもりがちなため、遮熱などには最大限の気を配って製作されている。最大ブースト圧は1.3キロの設定で、最高出力600psに達している。制御はパワーFCが担う。
エンジン内部はフジタエンジニアリング謹製のサイドポート拡大(バージョン5)で、ツインターボとのマッチングを取る。純正タービンですら起こり得るサージングも皆無に等しく、低速域からレスポンス良くブーストが立ち上がる特性に仕上がっているそうだ。
吸気系はスロットルアダプターとビッグスロットルによって、吸入空気がスムーズにエンジンヘと向かうようにチューニング。
まるで欧州スーパースポーツのようなシルエットを有するAFFLUX(アフラックス)バージョンVボディキットは、藤田代表が描く未来のFD3Sを具現化したコンプリートスタイルだ。キット価格は173万8000円、塗装や取り付け、各部の加工も含めたコンプリートプライスは220万円に達するにも関らず、究極のスタイルを求めるFD3Sユーザー達から定期的にオーダーが入っているという状況だ。
なお、キット名のアフラックスはフジタエンジンニアリングが展開するエアロパーツブランドを指し、バージョンVは勝利を意味するヴィクトリー(Victory)に由来する。
ローフォルムを演出するために落とし込まれたノーズデザイン。フェンダーと一体で構築された固定式ヘッドライトは独創性の塊だ。
フロントフェンダーは片側45mmのワイド仕様。よりホイールを大きく見せるためにタイヤハウスを絞り込み、ドア部まで延長させることなくバッサリと落とし込んだところが特徴的だ。フェンダー後部には、タイヤハウス内の乱流を排出するためのダクトも設けられている。
ダックテールと一体化したリヤセクション。丸目2灯のLEDテールランプはオリジナルだ。マフラーは定番の砲弾型ではなくオーバルタイプとし、それに合わせてボトム部を大胆にイメチェン。スッキリと引き締まった形状ながらもインパクトは強烈だ。ワイド幅は55mmとなる。
ホイールは20インチのアドバンレーシングRS-D(F10J+20 R10.5J+25)をセット。ルックス的にはもう少し車高を落としたいところだが、実用的には…と悩んでいるそうな。
室内も手が入る。ボディカラーとコーディネイトされたFEEDのフルスケールスピードメーターの他、多くの追加メーターを装備。ステアリングに設置されたスイッチはスクランブルブースト用だ。
ロールケージは溶接留めに加え、ピラーなどにガゼットで固定されボディ剛性を大幅にアップ。軽量化に向けてフロントウインドウにはスピードグラスが採用された。単なるドレスアップ仕様とは作りが根本から異なるのだ。
ちなみに、高速クルーズ仕様といってもどこかの定まったステージを極めるのではなく、ロングツーリングなどを楽しみながら、条件が合えば最高速トライアルを楽しむというタイプ。大人の超速ツーリングスペシャルなのである。
●取材協力:フジタエンジニアリング 大阪府堺市東区八下町1丁82-1 TEL:072-258-1313
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