「ECUの完全攻略も秒読み段階!?」GRヤリスの最新チューニング事情を追った!

フルコン&サブコンともに市販化目前

多彩なパーツ展開でGRヤリスチューンを提案!

4mを切るコンパクトなボディに272psを誇る1.5L直3ターボエンジンを搭載することから、オーナーもチューニングショップも鼻息が荒くなっているGRヤリス。

チューニングベースとして高い可能性を感じられる新型車が枯渇しかかっている今の時代、ベースグレードなら車両価格が400万円を切るという時点で、“救世主”なのかもしれない。

そんなGRヤリスのアフターパーツ開発を精力的に進めているショップの一つが、トヨタ車チューンを得意とする“アイコード”。

足回りやブレーキといったシャシー系はもちろん、純正改ハイフロータービンやメタル触媒、チタン製センターパイプにマフラーなどのエンジン系、それに伴う制御系まで、確実にパフォーマンスを高めるパーツが着々と開発され、一部パーツはすでに発売されている。そんな珠玉のパーツラインナップを見ていこう。

エンジンマネージメント

メインECU書き換え
サブコン

中でも注目したいのは制御系パーツ。試作品が完成したサブコン(価格未定)と、純正データの解析が大詰めを迎えているメインECU書き替え(予定価格:19万8000円)だ。以下、開発担当の広部さんに今の進捗状況を聞いてみた。

まずサブコンに関しては「デモカーがサブコン制御なんですが、最大ブースト圧をノーマルの1.5キロ弱から1.7キロに高めています。サブコンが担当するのは3000rpm以上、かつアクセル開度70~80%以上の領域。それ以外は純正ECUの制御に依存することで、タービンやセンターデフに過度の負担を掛けないようにしています。また、ノーマルは3000~4000rpmでピークを迎えると徐々にトルクが下がっていきますが、サブコンでは中高回転域でもトルクを維持します」。

一方のメインECUに解析については「サブコンと並行して開発を進めてきたメインECU書き換えは、燃調や点火時期、可変バルタイ、トルクリミッター、スピードリミッターなど各種マップ解析がほぼ終了しています。今年の夏くらいには製品化できると思いますよ」とのこと。

電子制御スロットルや直噴システムが一般化したことで、大きく変わったのがエンジン制御。吸気量とアクセル開度から要求トルクを計算するという、従来とは異なる考え方がECUチューンを難しくしているが、アイコードではその突破口がすでに見えているのだ。

SFM2リミッターカット(4万1800円)

約180km/hで効く速度リミッターを解除する、ハイパフォーマンスカー必須のアイテム。アイコードがJARI城里高速周回路で行なったテストでは、フルノーマル250km/h、車高35mmダウンで265km/hという最高速をマークしている。

ハイフロータービンASSY(37万4000円)

IHIの純正ベースで加工製作されたアイコード製のハイフロータービンは、純正比プラス30パーセントの風量で設計。各部の形状を最適化することで、低速域のフィーリングはそのままに、トップエンド領域までブーストパワーが追従するようにチューニングしている。

インペラーのブレードは純正6枚(左)に対してハイフローでは11枚に増やされ(右)、その形状や角度を含めて全面的に改良。これからパワー計測を始め、各種テストを行なっていく予定だ。

純正改ビッグスロットル(6万3800円)

「低速トルクを出すため、意図的に径を絞り込んでいるのではないか」とアイコード鶴田代表が推測するGRヤリスのスロットルバルブ。そこで純正48φからポート径を3mm拡大し、51φとしたのがこのパーツ。価格は純正品下取り対応でのものとなる。

オールチタニウム製EXマフラー(33万円)

厳しい加速騒音規制をクリアしながら、純正比マイナス10kg(15→5kg)という大幅な軽量化を実現したエキゾーストシステムもスタンバイ。また、アイコードでは業界初の第2メタル触媒付きチタニウム製中間パイプ(19万5800円)と、第1メタル触媒(予定価格:15万4000円)も用意しており、トータルでの排気チューンが可能だ。

サスペンションキット(39万6000円)

全長&減衰力12段調整式の車高調だ。スプリングはストリート推奨のフロント8kg/mm、リヤ6kg/mmが組まれる。専用シェルケース仕様(純正下取りなし)の他、純正シェルケース仕様(同下取りあり36万3000円)も用意される。ブレーキパッドもオリジナルの低ダストタイプ(フロント用:3万4100円 リヤ:3万1900円)をリリース済みだ。

ちなみにホイールはBBSが誇る鍛造ワンピースのRE-V7(18インチ)をセット。タイヤにはアドバンネオバAD09を組み合わせる。

インテリアパーツ

カーボンステアリング(38万5000円)はグリップ上部中央に水温や油温などを表示できるデジタル式メーターとシフトタイミングランプを内蔵。純正ステアリングスイッチに対応した100mm延長ボススペーサー(税込4万9500円)もラインナップされ、ドライビングポジションの調整幅を拡げている。

電撃シフトを可能にするクイックシフター(17万6000円)はCAE製のアイテム。剛性感が非常に高く、前後左右のシフトストロークを劇的にショート化。また、シフトノブの位置がステアリング左側となるため操作性も向上する。

本体色はブラックもあり(税込19万8000円)、シフトノブはグリーンの他、白、黒、シルバー、ブルー、オレンジと全6色から選択可能。ユニット剥き出しでメカニカルに見せるもよし、専用シフトブーツ(税込1万9800円)でスマートに見せるもよし。

試乗インプレッション

着座位置が低められたレカロのフルバケにカーボンステアリング、そのすぐ左側にシフトノブがくるCAE製クイックシフターにより、やたらと戦闘的なポジションを取らされる。

確かに3000rpm付近まではノーマルと大差ないフィーリング。ただ、そこから上の領域ではエンジン回転の上昇に合わせてパワーを大きく盛り上げながら、レッドゾーンが始まる7000rpmまで軽快に吹け上がる。右足の微妙な動きにも即応する鋭いレスポンスを見せ、その加速はまさに後ろから弾かれるような感覚。さらに、前後左右ともストロークが30mmほどしかないクイックシフターの優れた操作性が走りの楽しさを倍増させてくれるのだ。

日常域での扱いやすさを犠牲にすることなく、パフォーマンスとドライビングプレジャーを向上させたアイコードGRヤリス。ストリート派だったら、そのチューニングメニューには必ず満足するはずだ。

●取材協力:アイコード 愛知県豊田市御船町山屋敷135-2 TEL:0565-46-0727

【関連リンク】
アイコード
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