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電動コンプレッサー化でエンジン負荷をゼロに!
見た目にもスマートな最先端エアコンシステム
旧車に限らず、エンジンチューニングを進めていくと、エアコンのコンデンサーやコンプレッサーの行き場に困ることがある。とくに旧車はエンジンルームも狭く、エアコンを捨てざるを得ないことも多い。それでも、快適性は犠牲にしたくない…。そんな悩めるオーナー達に紹介したいのが、電動コンプレッサーを使った最新のエアコンシステムだ。
取材車両は、OPTION誌等でお馴染みの平野陽カメラマンが所有するP510ブルーバード。SR20DETの換装に合わせて、各部に最先端のカスタムが施されているが、平野カメラマンが最も拘ったのが実はエアコンだった。
「旧車だからエアコンは効かない…なんて嫌じゃないですか。電動エアコンの後付けキットは高価なポルシェ用まで様々なものがあるのですが、実際に装着しようと思うと作業がかなり大変なんです。そこで、LEDバルブ等で有名な“クルーズ”と一緒に、理想的なシステムを開発することにしたんです」とのこと。
実際に開発がスタートしたのは、2021年末のこと。そこから様々な難題を一つ一つクリアしていきながら、2022年6月、ついに平野カメラマンが納得できるレベルのシステムが完成。キットとしてデリバリーできる状態までこぎつけたのだ。
キット構成は、電動コンプレッサーの他、エアコンコンデンサー、エボパレーター、スイッチ、配管やコントロールユニット…と、汎用品として装着に必要なものをフルパッケージ化。販売価格は18万7500円~を想定しているとのこと。
ちなみに、平野カメラマンのブルーバードはエンジンベイを追求した結果、エアコンシステムはリヤのトランク内で完結させていたりする。システムの要となる電動コンプレッサーユニットは省スペース設計のため、置き場所に困ることもない。
ブロック脇に装着されていた、純正の機械式エアコンコンプレッサーは当然キャンセル。ベルト駆動による物理的なコンプレッサー抵抗がなくなるため、パワーロスの低減&燃費の向上も見込める。
エアコンコンデンサーは、一般的なフロントではなくリヤ下部に水平マウント。エンジンの熱害を受けないので、想像以上に冷却性能は高いと平野カメラマンは語る。
エアコンの吹き出し口は、現状ではリヤシート横にダクトを通す形で配置。この仕様でも車内は十分にヒンヤリ冷えるとのこと。純正吹き出し口まで延長して、自然に仕上げることも可能だ。
配管はテスト的に一般的なエアコン用を使っているが、販売用のキットでは細くて特殊工具が要らないホースクランプ等に変更予定だ。
「電動コンプレッサーによるエアコンシステムは、とにかく装着の自由度が高いことが魅力。それとキャブ車の場合、エアコン使用時のアイドルアップでエンジンがカブることもありますが、その悩みからも開放されますよ。オルタネーターに関しては、100Aあれば安心だと思います。僕はSR20純正の80Aで使っています」。
エンジンの状態に効きが左右されない、エンジンルームをスッキリできる…等々。エアコンの電動化はあらゆる意味でメリットが大きい。エアコンレスの旧車はもちろん、純正エアコンシステムに不安がつきまとう80年代〜90年代のネオクラシックにもベストな選択と言えるだろう。
なお、このキットはクルーズブランド運営元のハートネットでの取り扱いとなり、近日中に正式リリースするとのこと。購入希望者はぜひとも問い合わせていただきたい。
●問い合わせ:ハートネット 神奈川県藤沢市円行1-15-4 0570-06-4147
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ハートネット
http://www.heartnet.info