目次
目指すは万能型チューンドの理想形
タイプRの性能を全域で底上げするストリート+αの改造術
ストリートをメインステージに据えつつ、サーキットでも満足度の高い走りが楽しめる。そんな万能型チューンドの理想形をコンセプトにしてセットアップへ取り組んでいるのが、岡山県の“ランデュース”だ。
今回披露してくれたFK8に関しても基本的なスタンスは変わらないが、チューニングを進めていくにあたって細心の注意を払ったのは、ズバリ“扱いやすさ”だ。というのも、FF×ターボという組み合わせでやみくもにピーク性能だけを求めていくと、どうしてもトルクステアがきつくなって乗りにくくなってしまうためだ。
そこで、FK8本来のパフォーマンスを解き放つECUセッティングに関しては、マージンを確保するだけでなく、扱いやすいエンジン特性となることへも配慮。ブーストは1.6キロとノーマル同等にしているが、バルタイやVTECポイントまで含めた細やかなECUセッティングによって、394ps/6400rpm、56㎏-m/3100rpmへ仕立てている。
完成度が高い一台だからこそ、安直なパーツ投入は逆効果となってしまう。吸気効率だけでなく吸気温度も重要となるエアクリーナーには、フレッシュエアを安定供給できると評価したイベンチュリのインテークシステムをチョイスした。
一方の排気系は、チタングラデーションとカーボンレッドテールのコンビが斬新なニュルスペックのカスタムエディション。ポテンシャルアップだけでなく機能美にも拘る姿勢が見事だ。
また、FK8は高速クルージングでも簡単に油温が120度に達するほどヒート傾向が強いため、HKSのインタークーラーキットとSタイプオイルクーラーキットで強化。不安なくハイパフォーマンスを楽しめるように、クーリングも抜かりなく仕上げている。
そして足回りはFK8が誇るアダプティブダンパーシステムへ執着せず、好みの味付けやスタイルへアジャストしやすいようにハイパーマックスMAX IV SP(F12kg/mm R10kg/mm)を投入。
ホイール&タイヤは、ランニングコストだけでなくサイドウォールの厚みでトラクションや乗り心地良さを確保すべく、245/40R18へとインチダウン。ブレーキをオリジナルの6ポット+365mmローターに変更していることもあって、小径化されたホイールには物足りなさを感じることもない。
室内はノーマル然とした仕上がり。ホールド性がやや物足りなく感じる純正シートは、レカロSR7へとコンバート。ブラック×レッドのコンビネーションとしてタイプRらしさをキープしつつ、安定したドライビングが楽しめる環境に導いた。
パフォーマンスアップに伴うクーリング性能強化は、エアロパーツにも及ぶ。フェイスのオリジナリティ引き出しとクーリング強化が実現できるバリスのクーリングボンネットを与え、ダクトが際立つようにカーボン地を残して塗り分けた。
「FK8はタイプRの名前を持つだけあって、完成度が非常に高いモデルです。ですから、チューニングする際はトータルバランスを整えていくことが重要。ECUセッティングで引き出したパフォーマンスに合わせ、フットワークやクーリング、ブレーキと完成度高さを底上げする周辺環境もしっかり整えました」とは、ランデュース浅田代表。
ノーマルの高い完成度をリスペクトしつつ、4ドアを活かしたファミリーユースからサーキットでのスポーツ走行まで高い満足度が味わえる仕様へと育て上げたランデュース。ストリート+αのアダルトアプローチで広げていく走りの楽しさを、ぜひ愛車でも味わってみてもらいたい。
●取材協力:オリジナルランデュース 岡山県倉敷市三田118-1 TEL:086-464-0606
【関連リンク】
オリジナルランデュース
http://www.runduce.com/