「シャコタンを極めるためにプッシュロッドサス化!?」二度見必至の極低レガシィB4、見参

プライベートビルダーの怪作!

クリアランス確保のためにプッシュロッドサスを製作

シャコタンマシンのベースとしては、少々異端なレガシィB4(BE5)。オーナーである渋井さんがレガシィB4で、禁断の19インチ鬼キャン&腹下着地をキメてしまった理由はこうだ。

「元は通勤用に安く買ってきたクルマだったんですが、ふと車高を落としたら憧れのクルマに似るんじゃないかってインスピレーションが湧いてきたんです!」。その憧れのクルマというのが、アメリカ発のブログサイト『スタンス・ネーション』を起ち上げた、エルビス・スケンダーのレクサスLS400(20セルシオ)だ。

「B4に19インチのディッシュをねじ込んで腹下着地させたら、エルビスのLSっぽくなるんじゃないかと、考えれば考えるほど頭の中がそのイメージでいっぱいになっちゃって。気づいたらもうホイール買ってました(笑)」。

そんな脳内暴走の受け皿になったのが、友人でもあるプライベートビルダーの吉田さん。最初は「いくら話を聞いてもまったくやる気がしなかった(笑)」と言うほど渋井さんとの温度差があったそうだが、渋井さんがフロント10Jプラス11、リヤ11Jプラス23という、とんでもないサイズのワーク・ランベックLD1を買ってきてしまったから、さあ大変。

結論として「入らん!」ということになったのだが、そこから「まだ誰もやったことがない」という言葉に弱い吉田さんが本領を発揮するカタチとなった。

まずはフロントセクションから見ていく。タイヤハウスは上部を大きく切り開いてクリアランスを確保。空いた穴はシートメタルで塞いであるが、同様にフェンダーもシートメタルの叩き出しでワンオフ製作してある。

ストラットはユニバーサルエアのエアバッグと326パワーのダンパーを組み合わせた仕様で、ロワブラケットの取り付け位置をかなり下げて装着。ドライブシャフトを撤去して、FR駆動としているのも特徴だ。

エンジンの搭載位置もメンバーをスライスすることで約20mm嵩上げ。そもそもエンジンが薄い水平対向で、ブリッツの前置きインタークーラーを使った効果もあり、ボンネットとのクリアランスにはまだ余裕がある。

リヤセクションはさらに大技が炸裂。サスペンションの構成パーツをすべて車内に引き入れて、車高を下げるクリアランスを稼ぐために、吉田さんがイチから製作したプッシュロッド式リヤサスが目を引く。

ピンクゴールドのパウダーコートを施したリンクを車内で繋ぎ合わせてサブフレームを構築し、ユニバーサルエアのエアバッグやTディメンドのショックアブソーバーを接続。エアタンクやコンプレッサーは手製のステーでマウントしたり、配管にこだわったエアリフトの電磁弁もリヤウインドウ越しに見える位置に装着したりと美観も追求している。

室内に水平マウントされたエアバッグが伸び縮みすると、30プリウスから流用したというハブベアリングが回転。その回転力がベルクランク(三角形のリンク)に伝わると振り子のように動いて、プッシュロッドを押したり引いたりするという塩梅だ。本来リヤに備わるラテラルリンクは撤去し、強度を上げた調整式トーロッドを装着してある。

リヤのタイヤハウスもフロントと同じように切開&拡張工事を実施。ワンオフで製作した三日月型のアッパーアームも、車高を下げた時の干渉を防ぐための隠し道具だ。

向かって右がオーナーの渋井さん、左がプライベートビルダーの吉田さん。吉田さんは「マイノリティ・ワークス」という名のもと、渋井さんを含む仲間数名とクルマ作りを楽しむのがライフワークとなっている。

過去にも自作した経験のあるプッシュロッド式サスペンションをリヤに構築したかと思えば、エンジン上げやら鉄板フェンダーやら、ありとあらゆる妙技を繰り出して見事に着地! 渋井さんが思い描いた理想の姿を具現化して見せたのだ。

Photo:Akio HIRANO TEXT:Hideo KOBAYASHI

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