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あえて狙ったミスマッチ感が絶妙なバランス!
王道路線を外しつつまとめたオンリーワン仕様
ゴリゴリのドレスアップ車両がひしめくドレスアップイベント会場で、他とは一線を画す存在感を放っていたC35ローレル。
オーナーがこの車両を手に入れたのは10年ほど前。当時人気がそれほどない車種で、「誰とも被らない」というのが購入の理由だったそう。しかし、それゆえに直面したのが“エアロパーツの選択肢が少ない”という問題だった。
フロントからメーカー不明バンパーとサイドステップ、リヤバンパーはファイナルコネクションを組み合わせ、フロントのフォグには形状が似ていてハマりそうだったというアルファードの純正フォグをインストールしてオリジナルテイストを追加している。
レッド/ブラック/レッドのストライプステッカーはニスモのオフィシャル品だ。
ドアノブやモールのメッキ感と統一感を出すために、サイドミラーにはシーマ用のメッキカバーを流用することでこちらもアレンジ。
リヤビューも本人の工夫が詰まっていて、R32GT-Rのトランクスポイラーに、挟み込みタイプのローマウントGTウイングというツインスポイラー仕様を構築。GTウイングがこの形状なのはトランクへの穴あけを避けるためだったが、ハイマウントタイプにありがちなやり過ぎ感のないフォルムへと繋がった。
リヤバンパーの張り出しに合わせて、ユーラスの追加フィニッシャーでテールエンドを延長。ディティールにも拘っているのだ。
ホイールはメッシュタイプのモンツァワーウィック18インチ、タイヤにはダンロップロゴのホワイトレターをアクセントとして加えてスポーティ度を高めている。
拘りは室内にもおよぶ。高級セダンのローレルらしく、他グレードから本革純正シートを移植して助手席とリヤシートはハイエンド感を演出。年季が入ったヘッドレスト用モニターもネオクラ的で渋いチョイスだ。
一方で運転席にはフルバケとしてスパルコのエボを配置し、ラグジュアリーセダンとのミスマッチを狙った往年の走り屋っぽさを演出している点も見逃せない。
トランクルームにはNOSタンクが鎮座…と思いきや、これはスポコンが流行った頃に購入したというタンクを模したバズーカブランドのサブウーファーボックス。本物のNOSステッカーと年季が入ったキズのおかげで、まるでレース用のお下がりっぽく見えてしまうところがニクい。
そしてトランクパネルの裏側には、平成レトロ感溢れるミニバンの天井付け用折りたたみモニターをインストール。配線処理も施されており、音楽に合わせた映像も流せるとのこと。
エンジンはノーマルRB20のNA仕様だが、今時では珍しいダミーの前置きインタークーラーをセットして力強さをアピール。本物のHKSコアを使っているため、エクステリアを見ただけではフェイクだと気づく人はまずいないだろう。
王道を外したチューニングを追求しつつ、あえてそのミスマッチも狙ったようなギリギリのラインで統一されたオンリーワンの脱定番仕様。「他人と被らない」ためではない、歴史も詰まったマシンメイクに、10年来のローレルオーナーとしての気概が伝わってきたのだった。
TEXT&PHOTO:長谷川実路