「武闘派フレンチの胎動」日本一過激なプジョー106が完成間近!?

排気量アップまで敢行したフルチューンスペック!

軽量コンパクトを味わえるフランス製ホットハッチ

京都を拠点に、ホンダ車と輸入車のチューニングでその名を全国に知らしめる“インパクト”。そんな同店がエンジンメイクを担当し、プライベーターであるオーナーと2人3脚で仕立てているのが、このプジョー106だ。

車重960kgの軽量ボディに1.6L直4DOHCエンジンを搭載し、5速MTで操れるFFホットハッチ…ではあるが、ノーマルエンジンはその聞こえが良いスペックからするとあまりに非力だったりする。

「ホンダで言えばCR-Xに近い存在ですが、エンジンの印象はGA2シティより遅い(笑) ですが、鋳鉄クローズドデッキのブロックは彫り込み代があって排気量アップしやすく、弱点と言えるヘッドは強化バルブスプリングを投入するだけで見違えますし、ポテンシャルは抜群です」とインパクト代表の園田さんは語る。

実際にこのマシンでは、腰下をボアアップした1.7L強化とし、腰上はハイカムや強化バルブスプリング、チタンリテーナーを投入するとともにポート加工を実施。圧縮比はノーマル10.8:1から12:1に高められている。

「ちょうどエンジンは慣らしが終わったところだったんですが、どうせなら4連スロットルにしたい…というオーナーの要望でリメイク中です。街乗りもしやすい元気いっぱいな200psを目標に、ハルテックのフルコンで緻密にセッティングして、日本で一番過激な106が完成すると思いますよ」とは園田さん。

スロットルはAE111純正を流用。4連スロットル化に合わせて、ハイカムは同じくケントカム社製のIN288度/EX272度に変更された。

アイドリングの安定化を図るだけではなく全回転域で綿密な制御を行なうため、処理速度と処理能力が純正ECUとは桁違いのハルテック・エリート1500が投入される。

燃料系ではATLの30Lタンクと、安全タンクに内蔵できるnukeパフォーマンス社の3.0Lコレクタータンクキットを採用する。

内外装の作り込みは、ツインリンクもてぎを走るというオーナーが担当。ドアトリムやシフト周り、足元やCピラー周りなどドライカーボン製パネルをふんだんに使用して軽量化。パネルレスにしないのは、大人のストリートカーとしての身だしなみといったところか。

ロールケージこそサイトウロールケージでワンオフしたものだが、それ以外は全て既製品パーツを使用している。

ホイールはボルクレーシングCE28。タイヤはポテンザRE-71Rでサイズは195/50R15だ。フロントブレーキはSSワークスのFC3Sキャリパーキットで強化する。

フロントフェンダーや前後バンパーもカーボン製。パーツが豊富に設定されていることもプジョー106の魅力だ。ボディカラーの赤はオーナーがオールペンしたもの。

「軽量コンパクトがFFの醍醐味。軽さを磨いてエンジンが元気になれば楽しさは倍増します。しかも、リヤサスが安易なトーションビーム式だから逆に良く曲がってくれるし、106って本当に良いクルマなんです」と園田さん。大人がお洒落に乗れて、手を掛けるほどに気持ち良い走りが楽しめるようになる。それがプジョー106の魅力なのだ。

●取材協力:インパクト 京都府久世郡久御山町野村村東91-3 TEL:075-754-7405

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