30万円で手に入る極上のドリフトベース
2012年、L700系ミラにテリオスキッドのパワートレインをフロアごと移植したFRドリフト仕様を発表して業界を震撼させた広島県の“A.K.R”。
当時の反響は凄まじかったそうだが、あくまで提案用のデモカーという立ち位置だったため、エンドユーザーへの技術フィードバックが難しく、量産など夢のまた夢という状態だった。
そうした過去の反省(?)を込めて製作されたのが、今回紹介するJ131G型テリオスキッドベースのドリフト仕様だ。
「とにかくお金をかけずに!」という自己レギュレーションのもと、FR/5速仕様というパッケージのLグレード(最廉価グレード)を選択。そこにライトな足回りチューンを加えて、お手軽にドリフトを楽しめる仕様としているのだ。
エンジンは全グレードにEF-DETターボが与えられているテリオスキッド。しかしLグレードにはインタークーラーが装着されていなかったため、上級グレードから純正パーツを移植。フルノーマル状態だが、ローギア―ド仕様なので低速からの加速力も抜群だ。
そして足回り。テリオスキッド用のドリフト専用パーツなど存在しないため、ショートナックルと延長ロアアームをワンオフ製作して切れ角を増大。フロントサスにはオリジナルスペックのJIC車高調(8kg/mm)を組む。
リアは短くするとドリフト時にリフトしてしまうため、試行錯誤の末に純正ショック+強化スプリング(7kg/mm)の組み合わせに辿り着いたという。
タイヤはフロント15インチ、リヤ13インチという変則的なチョイスだが、ドリフトにはこれが好バランスと判断。デフは溶接ロックだ。
「元々がFRなので、この程度のタイヤで楽しんでいるうちは駆動系トラブルの心配もなく、多少の無茶も許容してくれるのがオモチャとしてのメリット」とA.K.R月山さん。
ベース車両の中古車相場は30万円前後。シルビアだろうがテリオスだろうが走る喜びは変わらない。コストパフォーマンス重視のドリフターには、軽ドリが最適な選択肢かもしれない。
●取材協力:A.K.R 広島県東広島市高屋町造賀1510 TEL:082-433-6520
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A.K.R
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