「新型シビック包囲網!」名門スプーンが北米専売モデル『Si』チューンに着手する理由とは

伝統の“赤バッジ”を装備したホットモデル

EK時代のタイプRを彷彿とさせるFFスポーツ!

シビックSi……その名を聞いてピンときた方々は、かなりのホンダマニアに違いない。タイプR誕生以前のシビック兄弟を支え続けたスポーツグレード。通称ワンダーシビックと呼ばれる3代目AT系のZCエンジン搭載車に与えられたのが最初で、5代目EG系からはB16Aエンジン搭載のSiRへと受け継がれていった。

EK9タイプRの登場を機にSiは国内市場から姿を消したが、海外ではしっかりと継続。その最新モデルこそ、スプーンが逆輸入した北米仕様のシビックSiだ。

型式はFE1で、ベースとなっているのは国内未設定の現行FL系4ドアセダン。グリルとテールに与えられた赤バッジのエンブレムが象徴しているように、セダンベースのホットモデルとしてホンダの手によってファインチューンが施されている。

「存在を知ったのは、昨年参戦したサンダーヒル24時間レースでした。隣のピットだったUSホンダチームがSiをレース仕様にしてきたのですが、一発の速さはウチのタイプR(FK8)に迫っていて。スタイルもカッコ良かったんですよね」とは、スプーン城本さん。

その時のインパクトが脳裏から離れず、半ば一目惚れに近い経緯でSiをワークスカーとして迎えることになったそうだ。

ナンバーを取得したばかりのSiを早速チェックしてみると、その内容は「アプローチとしてはEK時代のタイプRに近いものがある」という。並べてみれば分かるように、基本パッケージは国内仕様のハッチバックFL1とほぼ共通。ピークパワーこそ上乗せされているものの、エンジン自体も1.5LターボのL15Cだ。その他、駆動系や足回りは特別仕様となっている。

そんなSiに対し、スプーンは早くもファーストステップチューンを構築してきた。FE1型シビックSiに搭載されるL15CはFL1用のパワーアップ版で、カタログスペックの200psに対し実測は186psだった。そこにHONDATAを用いたブーストアップを施工。このHONDATAはFL1では約50psのエクストラパワー獲得を実現している。

排気効率と消音性能を両立させたN1マフラーキット。Siに装着しているのはハッチバック用をベースにバンパー形状の違いに合わせてテール部を延長した試作品となる。

スポーツバージョンのSiはスプリングレートに加え、ダンパーのロッド径も太い専用品。まずはローダウンスプリングを試作して今後テストを重ねていく。

フロントキャリパーはフルモノコック6ポットに変更しているが、Si標準のローターサイズはスプーンのFL1用キットと同様の312mmだ。

ホイール&タイヤはSW388(8.5Jプラス45)にポテンザRE-71RS(235/40−18)の組み合わせ。純正(8J)との実測比較で1本あたり5kg減と、大幅なバネ下軽量効果を発揮する。

シートもSiはロゴ入りの専用品となっているが、わずか5.9kgの軽量バケットへの変更で軽量化とホールド性アップが可能となる。

今後は国内最速級で納車予定の新型タイプRも加え、スプーンのFL系シビック開発はさらに加速していくことになる。生誕50周年を迎えた11代目のFL系に対するスプーンのパーツ開発コンセプトは、世界のユーザーとシビックの楽しさを共有することに他ならない。「その取り組みのひとつとしてレースへの本格復帰も……」と、城本さんは不敵な笑みを浮かべる。

PHOTO:市健治/REPORT:川崎英俊
●問い合わせ:スプーン TEL : 0120-112-095

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