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目指したのはユーザーチューンドの究極系
心臓部は2.2L+RX-6タービンで500馬力!
今回紹介するのは、滋賀県の“ジークエンデルング”が製作したタイムアタック仕様のS15シルビアだ。
ドラガスセッティングやレースマシン級のボディ補強など、上を目指せばキリがないが、あえてその一線をギリギリ越えないよう意識してマシンメイクを心がけているとのことで、『スペシャル仕様ではなく、目一杯やったストリートチューン』を狙っている。
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心臓部は、東名パワードの87φ鍛造ピストン、H断面コンロッド、フルカウンタークランクからなる2.2L仕様の腰下に、フルチューンヘッドを組み合わせたジークSR22コンプリートエンジンとなる。
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タービンは通称『F1タービン』と呼ばれるIHIのRX6を装着。これに1.7キロというハイブーストを掛けることで500psを発揮している。なお、このパワーは市販ハイオク仕様のSRエンジンで狙えるギリギリの数値を狙ったものだ。ファンネルは柿本レーシング製のスペシャル。
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サージタンクはインファンネル式のワンオフで、スロットルには定番のインフィニティQ45用を装着。その他、中置きインタークーラーやオイルキャッチタンク、リザーバータンクなどもジークのワンオフ品だ。
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サージタンクとエンジンを繋ぐポート部分はシリコンホースを採用。振動によるトラブルを抑え込む効果とメンテナンス性を考えてのメイキングだ。
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足回りはジールファンクション車高調で、前後ともにバネレートは10kg/mmを採用。ブレーキはフロントにグレッディの6ポット、リヤにV36の純正ブレンボキャリパーを装備して強化済みだ。
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また、アーム類もフルで見直され、ロアアームとタイロッドはイケヤフォーミュラ製、それ以外はジークオリジナルの調整式に変更。アライメントはリヤをややトーイン方向にセットしているのが特徴だ。
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さらに、リヤメンバー固定部にはアルミカラーをはさみ込み、ムダな動きをシャットアウト。トラクションを稼ぐために車高は若干リヤ下がりで設定している。
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スパルタンに仕上げられた室内。メインメーターはサードのマルチメーターRD1で集中管理し、ロールケージはセーフティ21製の13点式をボルト留めで固定している。ミッションには、HKSの5速シーケンシャルドグを奢る。
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エクステリアはC-WESTのGTタイプでフル武装。フロントカナードはC-WESTのオプション品に加え、下段に1枚、垂直に1枚の計3枚を装着。鈴鹿サーキットの200Rなどの高速コーナーを踏みっぱなしでいけるほどフロントの接地感が向上したそうだ。
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C-WESTのGTタイプフェンダーによって、フロント片側30mm、リヤ片側40のワイド化を実現。ホイールはワークエモーションCR極、タイヤには前後265/35-18のアドバンネオバを履きこなしている。
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ダウンフォースの向上を狙って、前後とも大型のディフューザーを装着。マフラーはステンレス製でメイン80φ→テール110φのセンター出し。このレイアウトを実現するために、トランクはフロア面をカットしてフラット化している。
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こうして仕上がったチューンドは、シェイクダウン状態で鈴鹿サーキット2分17秒を記録。一般ユーザーでも手の届く範囲でこの速さを実現しているのは、徹底的に各部のバランスに拘った結果と言えるだろう。
●取材協力:ジークエンデルング 滋賀県東近江市蛇溝町1118-1 TEL:0748-22-2003