「五感を刺激するピックアップ重視のBNR32改!」街乗りからゼロヨン大会までGT-Rチューニングライフを満喫

チューニングカーらしさを追求した週末ドラッグ仕様!

オーナーの求めるモノをカタチにするトップチューナーの技

“ブラックライン”の鈴木代表いわく、第二世代GT-Rでチューニングを重ねるユーザーの傾向は大きく2つあるという。ノーマルの延長線で安定感を守りながらステップアップを望む志向と、チューニングカー的な官能フィーリングを求める志向だ。

そのため、オーナーの求める方向性をキッチリと見定め、同じターゲットパワーだったとしても、チューニングのアプローチを細かく変えていく必要がある。今回紹介するBNR32のオーナーはどちらかというと後者で、鈴木代表もかなり考えながらメイキングを進めていったそうだ。

細部にまで気を配ったエンジンルームの造作は、いかにもブラックラインらしい仕上がりだ。

エンジンは立ち上がりの鋭さを追求した仕様。腰下はコスワースの鍛造ピストン&H断面コンロッド、75.7mmストロークの鍛造クランクで徹底強化し、ヘッドにも280度10.9mmリフトのハイカムを軸にくまなく手が入れられている。

タービンはT88-34DからT88-3GKヘと風量アップされた。

組み合わせるタービンはビッグタービンの代名詞でもあるT88-34D(取材時)。ピックアップに優れる特性でエンジンとの相性も抜群だったが、オーナーはさらなるパワーを求めて取材後にT88-38GKへと風量アップ。900psを発揮するモンスタースペックへと進化したのだ。

ニューボルトのスペック07で16Vまで昇圧し、独立した点火コイルで強い点火ができるシステムを構築。
ハイチューンほど点火に拘るべきというのが鈴木代表の考え方。オリジナルの独立イグナイター仕様は失火を確実に抑えることができる。

ハイチューンドは高回転域での失火が命取りになる。そのため、ブラックラインでは16Vまで昇圧する点火システムを開発。RB系のイグニッションコイルと日産イグナイターを使い、これを昇圧機で16Vまでアップさせるのだ。「点火系が劣化している個体も増えてきているから、どんなクルマにもお勧めだよ」とはブラックライン鈴木代表。

エアロパーツはほぼ純正だが、リヤにはレーシーなディフューザーを装備する。

排気系もレスポンス重視で構築。フロントパイプにはあえて76.3φと太すぎないサイズを与え、センターパイプで80φへと拡大するレイアウトだ。

ブラックラインの人気メニューであるミラーメーターホルダーは、車両に合わせてワンオフで製作される(価格応談)。

ルーフにインストールされたスイッチ類は、アテーサ、ラインロック、各燃料ポンプの操作用。ミラー下にマウントされた追加メーターはブラックライン得意のミラーメーターホルダーシステムだ。

純正メーターからニスモのフルスケールメーターに交換。タコメーターはオートメーター、その他追加メーター類はデフィのものを装備。

センターコンソールにも3連メーターを配備。追加メーターをミラー部とコンソール部に分けているのには理由があって「瞬間的にメーターの針を認識できるのは、3つまでが限界なんだよね」と鈴木代表。

ホイールは軽量&高剛性のボルクレーシングTE37をチョイス。タイヤはドラッグラジアルだ。

ボルクレーシングTE37とフージャーDOTラジアルのコンビが本気度を物語る。このタイヤはドラッグレース向けのストリートスペックだ。

ミッションは長い間ノーマルで遊んでいたが、取材後しばらくしてOS技研のシーケンシャルを投入した。

オーナーは、ドライブからドラッグレースまでステージを問わず、アクティブに愛車を乗り回すタイプ。このGT-Rは仕様的にはフルチューンの領域にあるが、乗り手の性格に合わせて耐久性や扱いやすさも徹底的に追求されているのも大きな特徴だ。

●問い合わせ:ブラックライン 埼玉県川越市下広谷690-1 TEL:049-239-6667

【関連リンク】
ブラックライン
http://www.blackline-racing.com

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