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700馬力を発生するフルチューン2JZを搭載! コスパ重視のパーツセレクトにも注目!
チョイ悪オヤジに似合うルクソールエアロで武装
近年、チューンドベースとしての人気が再燃しているJZS161アリスト。よくよく考えてみれば当たり前の話である。トヨタ最強の2JZ-GTEをFRで駆動させるパッケージングは、まぎれもなくJZA80スープラのセダン版。その気になれば、大排気量スポーツモデルですらも喰えてしまうほどにパフォーマンスは高い。
それでいてエクステリアはどこか落ち着いた雰囲気で、流麗なエレガントフォルムを備えている。まさに羊の皮を被った狼。そんな“アンバランスさ”こそが、究極系スポーツサルーンであるアリストのキャラクターであり、最大の魅力と言えるかもしれない。
「小汚いドリ車じゃなくて、普段はオヤジが夜の街でカッコ良く乗れるような“大人のドリ車”を目指したの。それにはアリストが打ってつけだった。一番、気を使ったのは開発コストの低減。ユーザーが気軽に真似できなきゃ意味ないから」。そう語るのは、カザマオートサービスの風間代表。
エンジン本体は、腰下にH断面コンロッドを、ヘッドにHKSバルコンPro(IN&EX264度)を入れた程度で基本的にストック状態。そこにオリジナルのEXマニを介してTO4Zタービンをドッキングした上、飛び道具的にNOSウエットショットを導入。メニュー的にはかなりシンプルなのだが、それでもブースト1.5キロで600ps。NOS噴射時には1.8キロまでブーストは跳ね上がり、さらに100psの上乗せが可能になる。
また、ミッションには定番のJZA80用ゲトラグ6速MTではなく、JZX100系の5速MTを採用している。これについては「ゲトラグは手に入りにくいし、とにかく高いでしょ。600psオーバーでドリに使ってもJZXの5MTは意外と持っちゃうし、何より安いからね」と風間代表。そう、こんなところにもコストパフォーマンス重視の姿勢が貫ぬかれているのだ。
ドリフトに重要な機械式LSDは、東名パワードのテクニカルトラックス(2WAY)でイニシャルトルクは標準値。ファイナルは3.7だ。アリスト特有の姿勢制御システムであるVSC(ビークルスタビリティコントロール)はドリフト走行に適さないことからキャンセル。さらに、4WDS機構であるARSもトムスのキャンセラーによって解除し、リニアなアクセルワークを可能にしている。
一方の足回りは、全長調整式で有効ストロークを十分に確保したオリジナル車高調をセットし、ストリートからサーキットまで幅広く対応できるようにセットアップした。
1600kgを超える重量ボディを受け止めるべくブレーキも徹底強化済みだ。フロントにエンドレスの6ポットシステム(324mmスリットローター)を、リヤにも同社のレーシング4ポットシステム(332mmスリットローター)をインストールする。
そしてエクステリア。優雅で力強いシルエットの源は、カザマオートサービス作の“ルクソール”と名付けられたオリジナルエアロにある。
ルクソール。『知的で高貴、そして妖艶』という複雑なデザインコンセプトを表現するために用意されたこの言葉の語源は、古代ギリシャで栄華を極めた都市の名に由来するという。ちなみに、同エアロは製造コストを限界まで下げたことにより、フロント、サイド、リヤが各4万5000円/ルーフスポイラーとトランクスポイラーが各2万3000円と、バーゲンプライスを実現しているということも付け加えておく。
存在感のあるホイールは19インチのブラックフリート(F9.0J+30 R9.5J+20)。タイヤはフロントにレブスペックRS-02(245/35-19)、リヤにイーグルF1(245/35-20)をセット。リヤフェンダーは叩き出しで30mmほどワイド化されている。
「ラグ仕様というよりは、チョイ悪オヤジ仕様って感じかな。内装のフルブリッド仕様とかも子供っぽく見えないでしょ。こういう雰囲気のドリ車なら普段も乗れるし、オッサン連中にはウケると思うんだよね」。
1台でデートからドリフトまでこなす、贅沢な大人のチューンドアリスト。オッサンのみならず、こういう仕様に惹かれる人は多いのではないだろうか。
●問い合わせ:カザマオートサービス TEL:048-745-2026
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