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全て市販パーツで構成されたユーザー目線の仕様
お手軽かつ高機能なボディ補強でワンランク上の走りに進化!
リーズナブル&ハイクオリティをコンセプトに掲げる“レイル”。補強パーツやサスペンション系パーツを充実させる同社では、ストリート向けのオリジナルブランド「Beatrush(ビートラッシュ)」を展開するなど、幅広いニーズに応えてきた。
全日本ラリーや全日本ダートトライアルにも参戦中で、数多くの競技活動で培ったノウハウをフィードバックして生み出されるアイテムの数々は多くのファンを魅了する。自社生産に拘っているのも特徴だ。
ZC33Sスイスポについては発売当初からパーツ開発に取り組み、その効果を検証するために全国のサーキットで走り込みを重ねる。筑波サーキットでは、ラジアルタイヤで1分3秒143という強烈なタイムをマークするほどの俊足ぶりだ。
ちなみにこのデモカーは軽量化なしのストリートスペックで、しかもそれらは全て市販品(もしくは開発中のアイテム)で統一と、一般ユーザーが真似できる範囲の仕様となっている。
まずエンジンは、ブリッツのハイフロータービンやオートプロデュースBOSSのチューンドECUによりパフォーマンスアップ。最大ブースト圧1.2キロ時に179㎰を発揮する(ダイナパック計測)。
吸気系は剝き出しクリーナーとアルミサクションパイプの併せ技で、効率的に吸入空気を取り入れるインテークキット(8万6300円)を投入。こちらはレーシーな吸気サウンドが味わえるのも嬉しいポイントだ。
専用オイルフィラーキャップから、ブローバイを排出させる仕組みのオイルキャッチタンク(2万6500円)も用意。ZC33Sはブローバイが多いので、サーキット走行時の必需品と言えるだろう。
そしてボディ補強。ストラットやメンバー周辺、そしてハッチバック開口部など、ヨレが出やすい箇所にボルトオン装着できるオリジナルの補強バーを投入している。
「フロント周りの強化によりハンドリングがシャープになる他、ブレーキング時の安定感も高まります。またFFハッチ特有のリヤのバタ付きを抑えるには、リヤ周りの補強が効果的。色々とセッティングできるのも補強パーツの面白さだと思います」とレイルの渋谷さん。
そうして強固な土台作りを行った上、足回りにはKYBベースのオリジナル車高調(27万3000円)をセット。32段階の減衰力調整機能を備え、ロッドやラムシリンダーにはDLC加工を実施。フリクションを最小限に抑え込んだ自信作だ。
車高調には、フロントストラットのブラケット側でネガティブキャンバー角を調整できるように偏心ワッシャーが付属。ピロアッパーとの併用で最大4.8度までキャンバーを寝かせられる。
さらに、リヤサスのセッティングに便利なトーションビーム用スタビライザー(2万3000円)も製品化。19φ、16φ、13φと異なる太さが用意されており、好みにあったフィーリングが導き出せる。
ブレーキはAPキャリパーにより安定した制動力を確保。タイヤはアドバンA08Bで、サイズはフロント225/45R17、リヤ215/45R17を選択する。
アタックマシンではあるが、エアコンなどの快適装備付きなので長距離移動も楽。アルミ削り出しのシフトノブ(5000円)は人気製品。アルマイト仕上げで、デモカーに装着されるシルバーの他、ブルーやチタンゴールド、パープルやレッドを設定する。
純正ハンドルに付属するクルーズコントロールのスイッチを、社外のステアリングに移設するための「ステアリングスイッチ」が技アリ。反響次第で商品化も検討していく予定という。
アクセルとブレーキの段差を解消できるフットペダルセット(6900円)や、滑り止め効果のあるアルミ製のフロアーパネルも設定。価格は運転席用が1万3800円、助手席用は1万200円だ。
しっかりとした土台作りと緻密な足回りセッティングにより、類いまれなる速さを手に入れたレイルのZC33S。今後もオーナー達の痒い所に手が届くパーツ展開に注目だ。
●取材協力:レイル 神奈川県横浜市戸塚区平戸町335 TEL:045-824-1835
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レイル
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