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DIYチューニングでドラッグレースを楽しみ尽くす!
プライベーターが辿り着いた20B改ハイコンプNA仕様
グリーンシグナルと共に、1万rpmオーバーまで回る3ロータリーNAペリの官能的サウンドを響かせながら駆け抜けていくFC3S。
このド派手なRX-7のオーナーは、自動車整備関係の会社に勤めながら、20年以上ロータリー一筋でドラッグレースを楽しんできたという生粋のプライベーター。茨城県のショップ“ラジカル”や“カーブティック”の協力を得ながら、自らの手でこのFC3Sをイジり倒しているのだ。
これまで様々なロータリーチューンドを乗り継いできたオーナーだったが、このFC3Sをゲットしたことを機に、憧れ続けていたという3ローターエンジンを製作。20B-REWの吸気側をペリフェラルポート化し、FC輸出用の9.7高圧縮ローターを組み込んでいる。
最高出力は450ps、9500rpmシフトを基本としているが、スタート時は1万rpmオーバーまで回すことも少なくないという。ちなみに、レブリミットは1万1000rpmの設定だ。
吸気系は、ファンネルむき出しの多連スロットル仕様。ウェーバー48φダウンドラフトキャブレターを半分に切断し、もう一つのキャブレターと溶接して繋ぎ合わせることで、3ポートに対応させている。口径も51φに拡大済みだ。インマニは純正が内径50φなのに対して、60φでワンオフ製作している。
一方のエキゾースト側は、ハウジングのカラーを外して排気ポートを60φに拡大。EXマニも60φで取り出し、50φに変換する等長タイプのワンオフ品としている。
元々ストリート仕様として製作したため、ミッションなどの位置が変わらない(13Bと同等の位置)ように20Bを搭載。マウントやオイルパンはワンオフだ。
超高回転仕様のロータリーエンジンにとって、点火系強化は必須メニュー。和光テクニカルのLA-700FXとルーメニション製赤外線センサーを使用して同時点火方式に変更した上で、L型エンジン用のイグニッションコイルやKOEIのCDIで強化を図っている。
エキゾーストは、中間トルクとサウンド面が優れていてインパクトも抜群の70φサイド出しを装備。リヤエンドからテールが出る抜け重視のストレートマフラーも所有しており、気分で使い分けているそうだ。
フージャーのクイックタイムプロを履き、サスペンションにはラジカルの代表が自分のFC3Sで使用していたというアペックスのドラッグダンパーを装備する。
現在はスタートでストールしないことを優先させているが、エア圧や減衰力などを煮詰めれば、まだまだタイムアップを狙えそうとのこと。ミッションはHKSのHパターンドグ、ファイナルはボンゴ用の4.88を流用している。
室内はドラッグ仕様ならではの仕上がり。オートメーターのタコメーター、水温、油温、油圧、燃圧計と、わずかなスイッチ類が配置されたシンプルなダッシュボードはオーナーの自作だ。助手席の足元には、LA-700FXとKOEI・CDIが置かれている。
ヘルメットやボディのカスタムペイントは、茨城県土浦市のボディショップ“サンライト”に依頼したもの。「ファイヤーパターンにしたいということだけ伝えて、後はお任せで塗っていただきました。見た目のインパクトも大事なので!」とはオーナー。
取材時のベストは11秒078。超高回転型の3ローターNAと共に、10秒入りを目指した孤高の戦いは続く。(OPTION2誌2012年10月号より抜粋)