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ワンオフエアロで独創的スタイルを追求!
エアサス投入で極限のローダウンも実現
ガラケーならぬガラパゴスカーとして、日本独自のチューニング文化を形成している軽自動車。商業車からスーパースポーツまでベースマシンはバラエティに富んでいるが、中でも王道の1台として根強い人気を維持しているのが、ホンダの軽ミッドシップスポーツのビート(PP1)だ。
“てるてる”さんも、そんなビートの魅力に取り憑かれたオーナーの一人。知り合いのビートに乗ったのをきっかけに人生初の愛車として10年前に購入し、以後、自分好みにカスタマイズを進めてきた。コンセプトは「今のクルマにも負けないこと」だそうで、車齢31年を全く感じさせない先進的なアップデートが施されている。
何と言っても自慢はスタイルで、前後バンパーは完全オリジナルデザインをワンオフ製作してもらったもの。サイドステップも既製品をベースにフラップを追加して前後バンパーとの一体感を演出。片側40mm拡大した前後ワイドフェンダーも迫力を獲得するための大きな要素となっている。
エアダクト付きのボンネットはオートマック製。ビートとは思えないバッドフェイスは、独自に加工したイカリング入のヘッドライトに加え、フロントバンパーがアイライン的な効果を発揮していることが分かる。
リヤセクションは、マニア垂涎のケイズモード製リヤウイングがポイント。トランクフードはスタジオリベルタのものをベースにスポイラーをスムージング加工で一体化したオリジナル。ディフューザーと4本出しのマフラーは、アデレードプランニング製をチョイス。深みのあるボディカラーは、2代目NSX(NC1)のオプションカラーだ。
地を這うようなローダウンは、もちろんエアサスによるものだ。とはいえ、ビート用のキット設定などはどのメーカーにも存在しないため、市販の車高調ダンパーをベースにエアネクストのエアバッグを組み合わせてワンオフしている。
ホイールはボルクレーシングTE37ソニックで、サイズはフロントが7.0Jプラス20、リヤが8.0Jプラス25という純正同様の前後異径設定。タイヤサイズはフロントが165/45−15、リヤが195/40−16となっている。
インテリアもエクステリアに劣らぬフルカスタム状態。レッド×ホワイトをコンセプトカラーとして、レザーシートを駆使してDIYで各パネル類を仕上げた。”TYPE R”のロゴが入ったメーターパネルは、メーター修理に合わせて製作したワンオフスペシャルだ。
ピラーには3連メーター、シート後方にはスピーカーも美しくインストールされている。ロールバーはTOTOファクトリー製。シートは2脚ともフルバケットタイプに変更されているのに加え、ベルトもレッドタイプの生地に変更されている徹底ぶりだ。
その現代的なスタイリングで忘れそうになるが、やはり中身は30年選手ということで維持の苦労も多いとか。「常に錆との戦いですし、パーツも年々入手しにくくなっています」と、てるてるさん。それでも、いつか子供をもうけて横に乗せて走ることを目標に、今後も長くこのビートに乗り続けていくと熱く語ってくれた。
PHOTO&TEXT:川崎英俊
●取材イベント:Option JAMBOREE 2022