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減衰特性を伸び/縮みの両方向で変更可能!
ストリートからスポーツまでジェントルに楽しめる大人向けの特性が魅力
世界最高峰のサスペンションメーカーとして君臨するドイツのKW(ケーダブリュー)。モータースポーツでの豊富な経験により生み出されるサスペンションシステムは、バージョン1~5のストリート向けパフォーマンスモデルやサーキット走行にも対応するクラブスポーツ、旧年式車向けのクラシックサスペンションなど、車両の特性に合わせて様々なモデルを揃えている。
今回取材したZN6型86は、KWの基本的な性能をしっかりと味わえるようにバージョン3(伸び側と縮み側の減衰力をそれぞれ独立して調整できるモデル)の車高調とホイールを変更した程度のスペック。タイヤも純正ミシュランが装着され、その他はブレーキ以外は全てノーマルだ。
KWの誇るバルブテクノロジー「TVR-A」および、ブローオフ機能を備えた「TVC-A」を搭載するバージョン3は、伸縮を個別に調整する事を可能にした独自のツインチューブ(複筒式)構造を採用。なお、減衰力の調整アジャスターはショック上部に伸び側を、ショック下部に縮み側をそれぞれ配備(車種によって異なる)している。
取材車両の86の減衰力は、フロントの伸び側が一番締め込んだ状態から11クリックオープン、縮み側は5クリックオープン。リヤは伸び側が12クリックオープン、縮み側は5クリックオープンでセット。
スプリングはヘルパーを組み合わせてメインスプリングを有効に働かせる。バネレートはフロント4kg/mm、リヤ5kg/mmの設定。ポリアミド製の中間リングは、振動ノイズを軽減してくれるパーツだ。
群馬サイクルスポーツセンターで、KW仕様の86を試乗したNOB谷口選手は「極端に速さやスポーツを狙っているわけではないけれど、フィーリングはとても良い。ハイペースでも安定していて、バンプしてもハンドリングが乱れるといったことがないんだよね。安心して乗れるというか、運転が楽しくなるサスと言って良いだろうね。誰でも乗りやすいと思うよ。”大人のスポーツ”と言えば、その完成度の高さが伝わるかな」とコメント。
KWと聞くと、かなり高額なイメージを持つ読者も多いかもしれないが、86&BRZ用はバージョン1が15万3000円、今回テストしたバージョン3が32万6000円、サーキット仕様のクラブスポーツ3WAYで70万7000円と、スペックを考えれば標準的な価格帯だ。
国産スポーツモデルのラインナップは40車以上。ガチガチに固めるのではなく、しっとりとした上質な乗り味を求めるユーザーにとってはベストバイな車高調と言える。
●問い合わせ:KWオートモーティブジャパン TEL:075-771-7351
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KWオートモーティブジャパン
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