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エンジンもVプロ制御で抜かりなし!
6速MTも投入して小気味良い走りを実現
国籍不明感満点のコンパクトセダンを見て、すぐにベース車両が分かった人はかなりの変態…!? 正解はトヨタ・ターセル。国内では最終モデルとなった5代目のEL5系4ドアセダンで、1996年式の後期型だ。
そんなターセルに目を付けて、バリバリのカスタムを施したのが座間陽承さん。国内ではマイナーな存在だが、じつは世界中に輸出されたグローバルモデルで、中南米では今でも超人気のカスタムベースなのだとか。
迫力のエクステリアは、他車種用のパーツをワンオフ加工してフィッティングさせたもので、フロントセクションはAE86用N2スポイラーにURASの汎用アンダーフラップという組み合わせ。グリルは後期US仕様で、ヘッドライトはワンオフ加工のイカリング入りとなっている。
サイドステップはチェイサー用にFD3S用のアンダーフラップを追加。リヤは純正バンパー両サイドにスバルエクシーガ用のアンダースポイラー、下面にはディフューザーも追加。テールランプはアメリカからの輸入パーツ。本来設定のないサンルーフを追加しているのも拘りだ。
前後とも片側10cmワイドのオリジン製オーバーフェンダーに収まるのは、16インチのワークマイスターCR01(F8.0J+10 R8.0J-3)で、タイヤは前後とも205/45サイズ。
サスペンションはフロントがブリッツのEP82スターレット用、リヤはスバルWRX STI(VAB)用をブラケット加工でインストール。フロントブレーキに、ポルシェボクスターのリヤキャリパーを流用しているのも注目ポイントだ。
パワー系もスペシャルな内容で、1.3Lハイメカツインカムの4E-FEエンジンには274度/264度の加工カムをセットする他、サージタンクもスロットル径が大きいEP82ターボ用に変更。さらに削り出しのスロットルドラムでハイスロ化も図っている。
排気系はタコ足がパセオ(サイノスの輸出モデル)用の台湾製、マフラーはテールサイレンサーにバイク用を組み合わせたワンオフスペシャルだ。
フルバケットシートに小径ステアリング、大型タコメーターの追加などインテリアもスパルタンなメイキング。エンジン制御はHKS F-CON Vプロとし、ハンドル下の赤いスイッチでローンチコントロールも可能としている。ミッションはベース車両は4速MTの設定だが、AE111用の6速MTに換装してクスコの機械式LSDも装着。
オプションジャンボリーでは案の定(!?)マナピー賞を射止めたターセル改。次はF20C用コイルを流用した点火系強化を計画中と、まだまだ進化は終わらないのだ。
TEXT:川崎英俊/PHOTO:堤晋一
●取材イベント:Option JAMBOREE 2022