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熱伝導率の低いチタン製シムが走りを変える!
ブレーキフルードの温度を劇的に下げるチタンの魔力
ブレーキパーツメーカーの“アクレ”から、チタン素材のブレーキパッドシムが登場した。チタン素材の大きな特徴は「軽い」「強い」「錆びにくい」の3つが挙げられ、その強みを活かすカタチで様々なチューニングパーツに採用されている事は知っての通り。
しかし、アクレがこの素材をブレーキパッドシムに取り入れた最大の理由はそれらとは少し異なる。チタン素材のもう一つのメリットである「熱伝導率の低さ」に目を付けたのだ。
ローターとパッドの摩擦により、運動エネルギーを熱エネルギーに変換するのがブレーキシステムの原理だ。そして、この時に発生する熱がブレーキフルードに伝わるのを、熱伝導の低いチタン製シムで大幅に低減させることを狙ったのである。
今回はその効果を調べるべく、金網の上にシム有りとシム無しのブレーキパッドを並べて、バーナーで炙りながらバックプレート部の温度計測を実施。その結果、シム無しは148度だったのに対してチタンシムを装着した状態では98度と、何と50度の低減を確認!
アクレの志村さんによると「キャリパーに伝わる熱は50度から100度は変わってきますね」とのこと。となれば、長時間ブレーキ性能を安定させたい耐久レースなどで、ブレーキフルードが沸騰してしまうリスクが回避できるわけだ。
多くの国産&輸入スポーツモデルに対応するこのアイテム。価格はパッドサイズやキャリパーのタイプ(対向/片押し)で変わってくるが、1万6280円~で販売されている。もちろん、アクレ以外のスポーツパッドにも対応可能だ。
高踏力を多用するスポーツドライビングにおいては、ブレーキタッチのダイレクト感を求めてシムを取り外すケースも多いが、高剛性のチタン製ならダイレクト感を損なうことはない。まさに、至れり尽くせりの高機能ブレーキパーツなのだ。
●問い合わせ:アクレ TEL:042-516-9600
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