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機関系はノーマルながら、駆動系や内装はガチガチ!?
ヴィッツベースの小気味良いスポーツコンパクト仕上げ!
日々の通勤だけでなく、富士スピードウェイのショートコースにも愛車ヴィッツで繰り出しているという“ドミニク武田”さん。元々、ベース車両は安さで選んだそうだが、購入から約2年ですでに車体価格を遥かに上回る費用を注ぎ込んでいるというからハンパではない。
改造は多岐に渡るが、まず足回りから。10系ヴィッツのリヤサスはダンパーとスプリングが分離した構造を採用しているが、そのまま車高を落としていくとショック長が足りなくなって、バタつき症状が顕著に出てくる。それを解決するために、ラルグスの中古車高調ベースで一般的なコイルオーバー車高調をワンオフ製作。そこに8kg/mmの直巻きスプリングを組み合わせることで、高い路面追従性を実現している。
フロントもラルグスの車高調だが、アッパーマウントはサクシード&プロボックス用の調整式に変更。これによりキャンバー角の調整を可能にしている。これらのメイキングは、埼玉県のショップ“ロブラリア”が担当しているそうだ。
ホイールはワークのRS11とトーヨータイヤR1R(205/45−16)のコンビを通しで履く。オーバーフェンダーはタイヤのワイド化だけでなく、アーチ上げされた純正リヤフェンダーをカバーする役目も担う。
インテリアメイクも凄まじい。シートまで含めてリヤ内装を完全撤去し、5ドア車のメリットを消し去った漢の2シーター仕様としているのだ。シートはブリッドのモータースポーツモデルXERO CS。ロールケージはサイトウロールケージの10点式で、サイドバー付きだが位置が低いため実用性は想像以上に高いとのこと。
機関系はHKSのレーシングサクションを投入した程度のライトチューンスペックだが、ワンオフの強化エンジンマウントやコーヨーのアルミラジエター、セトラブのオイルクーラーなど、サーキットでの連続周回を睨んだ装備が各部に奢られている。
富士ショートでのベストタイムは38秒9。今後は機関系のチューニングを進めてタイムアップを狙いつつ、ドレスアップ系イベントでも通用する仕様へと進化させていくことも考えているそうだ。
明確なコンセプトに基づいてチューニングが進む拘りのヴィッツ、オーナーのセンスの良さが光る一台だ。
PHOTO:堤晋一
●取材イベント:Option JAMBOREE 2022