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やりすぎ度はアンダー鈴木レベルか!?
SRエンジンはVEヘッド&ドライサンプ化
もはや戦闘機ではないかと疑いたくなるほど攻撃的なエアロパーツで武装したこのS15シルビアは、オーナーである“アメ”さんと長野県の名門ビルダー“ガレージマック”が二人三脚で育て上げたスーパーチューンドだ。
「見た目が好きでスペックRのオートマを新車購入。もう20以上前の話ですね。そこからチューニング雑誌を読むようになって、マックに通うようになって…。気付いたら沼落ちしていました」とはアメさん。
パワーチューニングは究極系だ。心臓部に収まるのは、東名パワードのムービングパーツによって2.2Lまで排気量をアップしたSRユニット。ヘッドには可変カム機構を備え、ロッカーアーム飛びの心配もないVEヘッドを搭載し、296度/278度という強烈な作用角のハイカムを投入。さらに理想的なオイル循環と低重心化を求めて、ウエットサンプを捨てドライサンプ化も敢行した。
冷却系も、ガレージマックのキットを用いてパラレルマウント化。サージタンクはVEヘッド用に製品化されたハイパーチューン製を採用している。
タービンは小型ながら1000psが狙えるGCGのGTX3584RS。これにウエットショット式のNOSを組み合わせることで最高出力は960ps&100kgmに到達している。
「低回転はNOSでトルクを補って、5500回転まで回ったところでハイカムに切り替わる。そこからフルブーストというイメージです。ここまでやってるのは、アンダー鈴木さんと僕くらいかもしれないですね」。
ミッションはニスモ6速、HKSシーケンシャルを経て、現在はOS技研のRB26用6速シーケンシャル「OS-88」を投入。4WD用のため多少の加工は必要となるが、1500ps対応品ということでハイパワーを不安なく楽しめる環境が整ったという。
エクステリアはガレージマックの製品で統一。フェンダーは前後に295/35-18が履けるよう設計されているそうで、街乗りの際はエンケイNT03RR(FR11J+15)に285/35−18のハンコックRS-4を組み合わせる。
ブレーキはフロント6ポット、リヤ4ポットのHKSキャリパー。車高調はHKSハイパーマックスベースの特注品で、スプリングは前後共に12kg/mmをセット。アーム類はイケヤフォーミュラやクスコの調整式を投入して、アライメントの調整範囲を広げている。
ちなみにこのシルビア、カナード等の一部空力パーツさえ取り外せばそのまま車検に通る公認車両。エアコンやオーディオも完備された生粋のストリートスペックなのである。
ブリッドジータIVやクロスバー付きロールケージ、AIMのデジタルダッシュなど本気仕様らしい装備品も網羅したインテリア。ダッシュボード周辺にカーボンを多用し、エクステリアと統一感を持たせたフィニッシュも美しいの一言だ。
「とても快適とは言えないですが、普通に街乗りもこなせます。いじり甲斐があるというか、懐の深さがシルビアの魅力ですかね」と笑顔で語るアメさん。まさしくその言葉を体現した存在が、このスーパーチューンドというわけだ。
PHOTO:堤晋一
●取材イベント:Option JAMBOREE 2022