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ユーザー目線で堅実に作り込むストリート発祥のスポーツメイク!
フジムラオートが手がけたBNR32&BNR34に注目
ストリートチューニングコンセプトを軸に、ユーザーのライフスタイルやセンスに合わせたアレンジをモットーに掲げる“フジムラオート”。今回紹介する2台のGT-Rも、オーナーのリクエストを最大限に反映させ、厳選したパーツによって組み上げられている。
まず、ノーマルの雰囲気を残したストリートスペックのBNR32から。リフレッシュを兼ねて快適性と扱いやすさを維持しながら、ステップアップを重ねてきた1台だ。
エンジンは、絶対的な数値ではなくバイクのような軽快な吹け上がりをイメージし、あえてフルカウンターではない8カウンターのクランクを軸にした東名パワードの2.8Lキットをチョイス。HKSのGT-SSタービンと組み合わせた500ps仕様とし、トルクフルでオールマイティに楽しめるスペックへと仕立てている。
当時の面影を残しながら、厳選したパーツによって各部が現代風にアレンジされたBNR32。その象徴というべきパートが、BNR34から流用したゲトラグ6速ミッション。パワー&トルクの増大に伴い、より剛性感の高いミッションへとアップグレードしたのだ。
ストリートチューンドとしては、使い勝手の良さにも拘りたい。そこで、ユーザーから要望の多かったドリンクホルダーを“缶茶立て”としてリリース。アルミ製で質感が高く、シンプルかつスマートなデザインが好評だ。
あくまでもノーマルのシルエットを尊重しながら、程よいボリュームアップを目的に開発されたフロントスポイラーとフードトップモール。いずれもカーボンの設定もあり、効果的なアクセントツールとして再注目されている。
リヤもステージやセンスに応じて空力やボリュームが調整できるように、トランクのエンド部分に装着する“ちびっこスポイラー”と、純正リヤスポイラーに設置するロケットフラップを用意。それぞれ単体装着のみならず、同時のインストールも可能だ。いずれも10年以上前から販売している定番アイテムだが、全盛期のトレンドを継承したプチエアロとして、改めて人気が再燃しているという。
一方、ストリート兼サーキットアタックマシンとして育て上げられたのが、このデモカー風のエクステリアが特徴的なBNR34だ。
パワーとトルクを追求するため、心臓部は腰下にHKS2.8Lキットのステップ2を装備し、ヘッドには同じくHKSのステップ2カムをセット。サージタンクはニスモ、インタークーラーはARCと、ハイエンドパーツをふんだんに投入している。なお、エンジンルームにはフジムラオートのヒット作の一つであるチタンタワーバーも取り付けられている。
タービンはHKSのT51R-BB相当のビッグシングルとして、GCGのGTX4088Rをセレクト。「中間域のトルクを確保しながら、高回転域でのパワーと伸びも狙いたい」という貪欲なチョイスだ。750〜800psの高出力を絞り出すが、エアコンやパワステなどの快適装備は撤去せず、タウンユースとハードユースの双方に対応しているのがポイント。また、オイルクーラーをツイン装着し、ダクトホースによる各部の冷却も徹底されている。
エキゾーストには、無駄を排除したシンプルな作りで、軽量化と排気効率を徹底的に追求したフジムラオートの“ストライカー”を装備。80φのステンレスモデルも存在するが、この車両が装着するチタンモデルは90φのチタンパイプを使用し、存在感のあるサウンドを奏でる。
エアコンやパワステといった快適装備を残しつつ、後部座席は取り払ってロールケージ+サイドバーを装着。軽量化、ボディ剛性アップ、乗員保護などの目的を果たすため、2名乗車と割り切った公認車両にアレンジされている。
的確なパワーチューニングによってスピードレンジが大幅に上がったことを受け、空力チューンも徹底。かなり試行錯誤を重ねたそうだが、最終的にカナードやディフューザーを駆使することでフロントダウンフォースの増大に成功、高い安定性を手にした。また、ブレーキにも圧倒的な剛性を誇るエンドレスのモノブロックキャリパーを前後に搭載するなど、1アタックではなく、走行会の1枠をフルで走り切れるようメイキングされているのだ。
ターゲットとするステージや目的は異なるものの、共通しているのは「ユーザー目線のストリートチューンド」である点。そこにはBNR32の“銀次”、BNR34の“きいろボン”など、歴代デモカーで培ってきた技術やノウハウが凝縮されていることは言うまでもない。
●取材協力:フジムラオート 京都府京都市南区上鳥羽卯ノ花65 TEL:075-661-9393
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