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快適装備はそのままにストリート&サーキットに対応!
超フラットな特性を実現したFA20改2.1Lターボ仕様
質の高いトータルチューンを展開することで知られる愛知県の“ディフェンドレーシング”。そのコンプリートマシン&チューニング部門である、“シェルエンジニアリング”が手がけたZN6型86の登場だ。
「世間を見ていると、86/BRZのデモカーの多くはどこも良い子っぽい感じなので、ウチはあえてアウトローなイメージで仕上げました。サーキットなどクローズドコースを走ることも多いのですが、エアコンもオーディオも装備したストリート仕様なので、オールラウンド型って感じですかね」とは、シェルエンジニアリングの小貝さん。
エンジンは、HKSの2.1Lキットやハイカム(IN270度/EX266度)で鍛え上げたFA20に、トラストのT620Zタービンをセット。ポート側インジェクターを700ccへと増量し、HKSフラッシュエディターで制御することで、ブースト圧1.5キロ時に420psを発揮する。
T620Zタービンは、トラストでのキット設定に先駆けて装着したこともあり、サクションパイプなどはシェルエンジニアリングのオリジナル。エンジンのオフセットやラジエターの移設など行わずに、美しいレイアウトでターボ化が構築されている。
開口部の大きなブリッツ製エアロを生かして、センターにトラスト製インタークーラーとブリッツ製ラジエターをセット。左右のクーリングダクトの奥には、オイルクーラーをツインで装備してハイパワー化に対応している。
4本出しのチタンテールが特徴のマフラーは、フロントパイプまで含めて420psのパワーに合わせて設計されたワンオフ品だ。
400psオーバーまで出力を高めると純正ミッションでは耐えられない。そこでこの車両は、トラスト製のHパターン6速ドグミッションを投入してターボパワーを使いきれるようにしている。クラッチはORCツイン、ファイナルは4.1だ。
エアコン&オーディオだけでなく内装やカーペット類もフル装備、ストリート仕様に偽りなしという雰囲気のインテリア。乗員保護のロールケージも、居住性を犠牲にしないダッシュ貫通型の6点式としている。
エクステリアはブリッツのワイドボディキットでフル武装。リヤウイングはボルテックスと共同開発したスワンネックタイプで、1700mmのフラップ長を持つ超ロングタイプだ。
サスペンションはHKSハイパーマックスMAX4SPでセットアップ。ホイールは18インチのボルクレーシングZE40で、タイヤにはダンロップ(FR265/35-18)を組み合わせる。ブレーキはGDBインプレッサの純正ブレンボを流用している。
このチューンドを高速周回路で走らせたターザン山田は「見た目はヤンチャだけど、実は走ってみると素直でお利口なクルマ。パワフルだけどフラットな特性なので、とても扱いやすかった。ギヤ比の関係で6速で吹け切ってしまったけど、ギヤ比を高速型に変更すればまだまだ車速も伸びるよ」と評価。
最高速アタックの結果は241.87km/h。実際、4.1ファイナル+トラストミッションでの計算上の最高速が248km/hなので、空気抵抗を考慮すればほぼフルに実力を発揮したと言える。純正に最高速仕様としてギヤ比を合わせてきたら、どこまで記録が伸びるのか…。末恐ろしいチューンドだ。
●取材協力:シェルエンジニアリング 愛知県清須市春日鳥出4 TEL:052-409-9700
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