目次
フェイスリフトで車種不明のスーパースポーツへ
常識に捉われない唯我独尊のメイキング!
世界に通用する性能とスタイルを目指し、ホンダが本気で作ったスーパーカー“NSX”。中古車相場は相変わらず高値をキープしているが、それでも多くのカスタムフリークたちから愛され続けているベース車両だ。
ここで紹介する真紅のNA1型は、大阪のNSX専門店“ソーサリー”が手掛けたユーザーチューンド。ただ市販エアロを組み合わせるのではなく、見ての通りワンオフパーツ盛り沢山の超個性派仕様に仕上げられている。
ここまで激しくモディファイされていると、ドレスアップイベント専用のショーカーに見えてしまうが、それは大きな勘違い。サーキットタイムをコンマ1秒でも短縮しようとダウンフォースを追究した結果、辿り着いたのがこのワイドルックだった。実際に、岡山国際サーキットではこのワンオフボディの効果によってタイムアップを果たしたそうだ。
まず、ダウンフォースを稼ぐためにワンオフ製作されたフロントバンパーは、アンダースウィープや2段カナードまで備えた本格派。ZZT231セリカのヘッドライトを使って大胆なフェイスリフトを慣行するなど、魅せる要素にも拘っている。
インパクトを狙ってドアの開閉はガルウイング仕様となる。このフォルムだとガルウイングも嫌味がなく自然に見えるから不思議だ。
スパルタンに仕上げられたリヤセクションもワンオフメイド。リヤバンパーは、ダウンフォースを積極的に生み出すべくディフューザー形状を採用。両脇に大きなダクトを設けることでフロア下を流れる空気がバンパー内に滞留するパラシュート効果を抑制した。当然ながらGTウイングもセットされる。こうした積み重ねが、岡山国際サーキット1分48秒を叩き出す原動力となったことは言うまでもない。
ちなみにこのNSXは公認車検を取得済みで、サーキットの往路も自走でこなすストリートスペックだったりする。問答無用の存在感、完全に“最強のロードゴーイングレーシングカー”である。
エクステリア同様、インテリアの作り込みも凄まじいレベルだ。ダッシュボードを大改造した上で、必要な計器類&スイッチを美しく配置。助手席側に確認できる液晶パネルはバックモニター用、その下にはNOSボンベがマウントされる。
エンジンはNSXチューンの名手“エスプリ”の手によってチューニング。オリジナルスロットルキット(ワイヤー式スロットル、アダプター、エアクリーナー、サクションパイプ、専用ハーネス)でインテーク環境を見直し、F-CON Vプロによる綿密なマネージメントを敢行。そこにNOSのウェットショットを組み合わせて400psを絞り出している。
足元を飾るブラックのホイールはボルクレーシングTE37で、タイヤにはポテンザRE55S(F245/40-17 R285/35-18)をセット。
スーパーGTマシン真っ青のワイドボディは速く走るためのスーパーウエポン、美しさと速さを両立したこのエクステリアはまさに“機能美”という言葉が相応しいクオリティだ。(OPTION2誌20011年2月号より)
●取材協力:ソーサリー 大阪府堺市北花田3-36-6 TEL:072-258-1009
記事が選択されていません【関連リンク】
ソーサリー
https://www.sorcery.jp/