「学生の執念を見た!」アメリカン・トラッキンを夢見た悶絶サニトラ、登場【東京オートサロン2023】

ナロートレッド化のためのパイプフレーム仕様!

カスタムペイントのパターン数は二桁以上!?

卒業制作としての意味を持つ学生カスタムの多くは、素の状態から1台を作り上げるのが定石。しかし今年の静岡工科自動車大学校は、過去に製作された車両にさらに磨き上げることで、完成度を高めるというアプローチで出展している。そのため、通常の学生カスタムと比べるとプロ顔負けのショーカーとして圧倒的な仕上がりを誇っているのが特徴だ。

ベースとなるのは10年ほど前に同校の卒業生が製作したサニトラ。シングルキャブのキャビンを拡大し、マツダ・ポーターのルーフエンドを取り入れるエクストラキャブ仕様に作り変えた車両だ。このボディスタイルをそのままに、パイプフレームで組み直したフロントにはエアサスをワンオフフィット。さらに、リヤエンドも4リンク化しつつフレームもステップノッチで仕上げて、スラムドを実現しているのだ。

細部を見ていく。まずはトラッキンの特徴のひとつである、着地するほどのドシャコタンを実現するため足回りのカスタムに着手。4リンク式のマルチリンク化を施し、フロア下にエアサスを組み込むことでこれだけのシャコタン化に成功した。

フロント側はパイプフレーム化しているが、これは純正フェンダーのままのツラウチシャコタンを是とするトラッキンのスタイルを構築するためだ。

18インチ7.0Jのホイールをフェンダー内に納めるにはトレッドの縮小が必要なため、インナーフェンダーをバッサリとカット。サスタワー位置は、ちょうどタイヤ1本分イン側へオフセットさせている。

そして、地上高を確保する目的でフロントメンバーはマウント部のフレームを40mm上方へ移動。サスタワーのバーリング加工といったディティールへの拘りも忘れない。

エンジンルームの見栄えも気にしてOERのキャブとステンレスのタコ足へ交換。メッキのように輝く各パーツは学生達が手作業で磨き上げた力作だ。

ボディワークの基本は先輩が製作したスタイルを活かしながら、バンパーをスムージングしさらにファントムグリルをセット。ペイントに関しては90’s後半~2000年代のトラッキンをイメージし、蛍光グリーンをベースにトライバル柄を取り入れることで、よりショーカーらしさをアピールする。

インテリアカスタムも徹底。純正シートの張り替えは外注だが、一般的な自動車用シートの加工を手掛けるショップではなく、家具のリメイクを得意とする専門店に依頼。これにより、一風変わった雰囲気に仕上がったという。

各パートによって全く異なる作り込みが施された、アメリカントラッキンなサニトラ。学生達の情熱をひしひしと感じさせてくれる仕上がりだ。

PHOTO&TEXT:長谷川実路
●取材協力:静岡工科自動車大学校 静岡県静岡市葵区宮前町52-1 TEL:054-263-4666

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【関連リンク】
静岡工科自動車大学校
https://www.kohka.ac.jp/

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