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3500rpmでフルブーストに到達する中速トルク重視のS14タービン仕様!
ロードスターを知り尽くしたメカドックならではのターボチューン
このNB8Cは、街乗りだけでなくジムカーナ競技まで楽しめることを目的に「低回転域からNAのようなフィーリングのターボ仕様」というテーマで作られた1台。製作のキモとなっているのは、ロードスターで多様な仕様を手掛けてきた老舗“メカドック”ならではのタービンチョイスだ。
エンジン本体は、マルハモータース2.0mmメタルガスケットに交換して圧縮比を8.5に下げただけの状態。そこにHKSのEXマニを介してS14純正タービンがセットされる。冷却系はインタークーラーがCN9Aランサーエボリューションの純正インタークーラー流用、オイルクーラーがHKSの15段という仕様だ。
また、BPエンジンのボルトオンターボは熱によって点火コイルやイグナイターにトラブルを抱えがちだが、メカドックではMSD DIS-2とULTRA(永井電子)の特注プラグコード装着でその問題を解消。さらに高回転域での失火を防ぎ、強い火花でトルクアップも図れるといったメリットも見逃せない。
タービン選択としてはHKSのT25GやGT25系もあるが、T25Gよりコンプレッサーハウジングが大きく、斜流タービン+ボールベアリングでGT25系よりもブーストの立ち上がりが早いということで、S14純正をチョイス。ブースト圧は3000rpmで正圧域に入り、0.7キロのフルブーストに達するのが3500rpm。レブリミットまで回してシフトアップをしていけば、パワーバンドを外すことはない。
足回りは仕様変更を行ったKYBバズスペックを軸に構築。これに組み合わされるのがアイバッハのスプリングで、バネレートは前6kg/mm、後4kg/mmだ。ブレーキはパッドのみKYBのRad’sに交換されている。スタビライザーはジャクソンレーシング製となる。
このチューンドNB8Cに試乗させてもらったところ、ターボ仕様とはいえ決してピークパワー重視ではなく、4000rpmから太いトルクが盛り上がってくれる非常に扱いやすい特性だったのが印象的。BP-ZEエンジンの特性をよく理解した上でのタービンチョイスが、オールラウンドに速いクルマを作る秘訣ということを体現したチューンドだ。
SPECIFICATIONS
■エンジン&駆動系:BP-ZE改/マルハモータース2.0mmメタルガスケット/S14純正タービン/HKSエキマニ、強化アクチュエーター/CN9A純正インタークーラー流用/HKSスーパードラッガー(メイン60φ テール105φ)/HKS15段オイルクーラー改/サード210L/h燃料ポンプ、550ccインジェクター×4/MSD DIS-2/HKS F-CON Vプロ/メカドックオリジナルクラッチ/OS技研3速クロスミッション/マツダスピード2wayLSD/4.875ファイナル ■サスペンション:KYBバズスペック/アイバッハスプリング(F6kg/mm R4kg/mm) ■タイヤ&ホイール:アドバンネオバ(205/45-16)/ボルクレーシングTE37
●取材協力 メカドック 埼玉県富士見市下南畑661-1 TEL:049-265-4987
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