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HA12V型アルトバンの究極進化系か!?
レース技術をフル投入したK6A改ハイコンプ仕様は必見だ!
「もうすぐ完成…なんだけど、自分のクルマはなかなか出来ないもんでね(笑)」と穏やかに語ってくれたのは、軽自動車チューニング界の重鎮、“アクエリアススポーツ”の小東さん。チューナーとしてはもちろん、元いすゞのワークスドライバーとしても知られるメカドラ的存在だ。
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そんな小東さんとアクエリアススポーツのスタッフが仕事の合間に製作(リメイク)を進め、シェイクダウン目前の状態まで漕ぎ着けたというのが、ここで紹介する1999年式のHA12Vアルトバンだ。
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心臓部は、フルメカチューンのK6A。シリンダーブロックには分厚いスリーブが打ち込まれ、830ccを実現する強化ムービングパーツを支える。ヘッドもフル加工が施され、280度&8.3mmリフトという強烈なスペックのハイカムを投入。圧縮比は13.5の設定だ。
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さらに、EXマニは軽自動車にはオーバーサイズとも思える42.7φの等長スペシャルをセット。そこから繋がるマフラーは、48φのフルストレートレイアウトとなる。
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吸気側にセットされるキャブレターは、バイク(CBR改41φ)用のFCR。FCRキャブは傾きに対応できるため、ストレートポート化に近づけることが可能。NAの吸気には非常に効果的なセット法だ。これにより、1万2000rpmリミット&110psという超高回転型ユニットを生み出した。
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腰高のアルトで旋回性能を高めるためには、車高を可能な限り落とす必要がある。しかし、純正ボディのままでは限界があるため、この車両はアーチ上げ加工やサイクルフェンダー化、ドライブシャフトの逃げ加工などを行うことで、地を這うようなローフォルムを実現している。
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ブッシュ類は全てピロに打ち替え、車高調にはシルクロード製のセクションを導入。タイヤはアドバンA050(F185/55R14 R175/60R13)で、ホイールにはSSRスピードスターMK3を組み合わせる。
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リヤサスはリジッドから4輪独立懸架のストラット式にチェンジ。キャンバー変化を抑えるように設計されたロングスパンアームがレーシーだ。
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軽量を追求したというボディは540kgを想定。これは、ジャングルジムのように張り巡らされたロールケージまで含めた上での数値というから恐れ入る。
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エクステリアメイクも凄まじい。50mmワイドのフェンダーは、フロントがアクエリアススポーツのオリジナルでリヤは汎用をセレクト。
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アンダーパネルやスワンネック型のGTウイングはカーボンで製作。空力と接地性能の高さ、そして軽量ボディを武器にターボマシンを蹴散らすわけだ。その他、FRPドアパネルやアクリルウインドウなども投入済みだ。
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とにもかくにも見どころだらけのアルトバンだが、この車両の存在意義は明快だ。「セントラルサーキット等で格上のターボ勢を追い回して撃墜すること」ただ一つ。究極のジャイアントキリング、サーキットで暴れ回る日が今から楽しみだ。