目次
アメリカ中のロータリー使いが集結する超大型イベント
毎年、アメリカのカリフォルニア州で開催されているマツダ車のビッグイベント『SEVENSTOCK(セブンストック)』。24回目を数えた2022年は、11月5日にフォンタナのオートクラブスピードウェイで開催された。アメリカでも大人気のFD3S型RX-7を筆頭に、歴代のマツダ車やロータリーエンジンにスワップされた他社製モデルなど、個性的なチューンドが多数参加。ピックアップした車両をレポートしていこう。
スーパーレアなワイドボディを纏うFC3C
かつてIMSAで活躍したMariahモータースポーツがストリートカー向けにリリースしたMode6ストリートワイドボディキットを装着したFC3C型RX-7カブリオレ。ふっくらとした前後のワイドフェンダーと、サイドに設けられた特徴的なエアダクトが最大の特徴だ。
フロントのサイドリップやリヤフェンダーのエクステンション、大型リヤスポイラー、コルベット風のテールなどは我流にアレンジされたもの。Techno Toy Tuningのステッカーが貼られているので、同社のサスペンションでローダウンされているものと思われる。ロールケージとバケットシートも備わるトラックレディな一台。
いたぞ純正リバレル!15インチを17インチマルチピース化!!
どノーマルと言ってもいい佇まいながら、なぜかホイールだけピカピカなFC3S型RX-7。気になって覗いてみると、純正リバレルホイールを装備!
元々、FC3Sに純正採用されていた15インチのアルミホイールからディスク面をぶった斬り、好みのサイズに設定した新品のリムにピアスボルトで結合。タイヤサイズが215/45R17なので、リムの径は17インチへとインチアップされており、純正ディスクなのに深さがある摩訶不思議ルッキンの完成だ。
パーツを同系色で揃えた美麗エンジンルームのFD3S
派手さは感じられないものの、隅々まで綺麗に仕上げられたFD3S。ホイールはSAKEBOMBガレージがFD3S用としてリリースしているRZ+鍛造コンペティションホイール。製作元は日本にも進出しているタイタン7という鍛造ホイールメーカーで、サイズは9.5+45×17インチだ。
エンジンルーム内の見映えを整えるシェイブドベイ、配線類を極力見えないようにするワイヤータックといったトレンドを取り入れつつ、やり過ぎない適度な手数で抑えているところが好印象。吸気パイプやインタークーラーに備わる電動ファンのシュラウドなど、目につくパーツの色味を同一のトーンで統一し、タービンの冷却やオイルキャッチタンクの取り回しにXRPホースを使用するなど、実はかなり手が込んでいる。
ハルテック制御のサーキットスペック
Shine AutoのBurnoutフロントバンパー、KlausコンポジットのスワンネックGTウイング、ボルクレーシングTE37 SAGAで武装し、タイムアタックも行なっているFD3S。テインの車高調でローダウンし、ストップテックのフロントブレーキ、OS技研の機械式LSDなども使用している。
セブンストックではもはやお約束?の510ブルーバード
旧車のエントリーも多いセブンストックだが、マツダ車以外で毎年必ずいるのが日産の510型ブルーバード。アメリカではダットサン510として絶大な人気を誇るので特に不思議はないのだが、なぜかロータリースワップのベースとしても定番化している印象すらある。
こちらはワゴンをベースにエアサスを装着したバッグド仕様という点で珍しく、エンジンルームのクリエイションもお見事。何と20B型の3ローターエンジンを搭載し、ITB(独立スロットルボディ)とAEMハイアウトプット・スマートコイルを3連装。電動ウォーターポンプも採用され、各種操作をインパネのキーパッドで行うなど、旧車とは思えない最新モディファイが施されている。
ムッチリタイヤがインパクト大なSCCAオートクロス参戦車両
どちらかと言えばドレスアップ派が主流となっているRX-8だが、こちらは見るからにレーシーな佇まい。アメリカのロードレース団体として古い歴史を誇るSCCAのオートクロス(ジムカーナ)に参戦している車両で、フージャーの極太スリックタイヤが迫力満点だ。
ノーマルでも大きなエアクリーナーボックスが備わるが、それを大きく超える巨大インダクションボックスを設置。溶接で直付けしたストラットタワーバーやショックアブソーバーのサブタンクなども備わり、よく回るエンジンとよく動く足を実現している。
PHOTO:Akio HIRANO/TEXT:Hideo KOBAYASHI