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JZX90のパワートレインを移植したハワイアン・ドリフトスペック
エクステリアはK&Mのアブソルートでフル武装
未だ高い人気を誇るバブル期の申し子、“JZX81マークII”をベースにした個性的ドリ車の登場だ。パワートレインに次世代型の純正パーツを流用することで、高い耐久性を誇るハイスペックへと仕上げられている。
エンジンは、オーナーが手に入れた走行距離わずか3万kmのJZX90部品取り車から丸々スワップ。トラブルが多発するECUなども全てJZX90用とすることで、トラブルフリーな環境を構築している。
仕様としてはライトなブーストアップだが、JZX90の1JZ(前期)はツインターボのためパワーアップ率が非常に高い。その気になれば400psオーバーも可能だが、各部の耐久性を考慮して330psに抑えられている。
また、前期の1JZはウォーターポンプやクーリングファンが油圧駆動のためトラブルが多く、冷えも悪い。そこで、JZX100のウォーターポンプを流用した上で電動ファン化、高負荷が続くドリフトにも耐えられるクーリングパートを構築した。
足回りはJICの車高調を軸にセットアップ。機械式LSDはTRDの2WAYだ。さらに、運転席側フロントフェンダー前方に設置されているABSは、タイヤとヒットしやすく信頼性も低いため撤去。これにより235/45-17のフェデラル595を干渉なく納めている。
また、フロントスタビの取り付け位置をストラットからロアアームに変更しているのもポイント。車高ダウンの弊害を解決しつつ、レバー比の変化によってスタビの効きを強くする策だ。
元々、AT設定しか存在しないJZX81。マニュアル化はJZA70スープラ用の5速ミッションを移植することで対応している。
室内を覆う7点式ロールケージはK&Mのオリジナル。メタルグリーンに輝くドクロのロングシフトノブがこの車両のキャラクターを物語る。
エアロパーツはK&Mのアブソルートで統一。外装はハワイの走り屋をイメージして仕上げられており、JZX81の年式を感じさせる車両デザインとの対比で、とても新鮮な仕上がりだ。
ドリ車らしい雰囲気とショーカー的な雰囲気を併せ持ちつつ、その内に現代でも通用するパワースペックを秘めたJZX81マークII。乗るのが勿体無いレベルだが、それにも動じずドリフトをガンガンこなすオーナーの走り屋スピリッツには感服だ。(OPTION2誌2014年11月号より抜粋)