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SR搭載ハチロクで国内最大クラスのビッグタービンを回し切る!
ハイパワーのジャジャ馬をゴールラインまでねじ伏せて走る
北海道の実力派ショップ“ガレージライズアップ”で製作されたゼロヨン仕様のハチロクだ。オーナーは元々ドリフト派だったのだが、パワーを上げていくうちの徐々にゼロヨン派へと転向していったそうな。
注目の心臓部はシルビア用のSR20DETを換装したフルチューンスペック。腰下を2.0Lのまま強化した上でヘッドには280度のハイカムを投入。そこに国内最大クラスのタービンであるT88-38GTをセットすることで、最大ブースト2.3キロ時に850psを絞り出しているのだ。
とにかくそのパワーは強烈の一言で、スタートからゴールまで加速が途切れることはなく、終速は約230キロに達するほど。
なお、出力を安定させるためにインジェクターは1気筒に対して740ccと720ccをツインで噴射するシステムを採用。大容量インジェクター1本で噴射するのに対して、このツインインジェクションは1本あたりの噴射量を少なくして燃料の霧化を促進、 燃料と空気をより均一に混合させることが狙いだ。
コクピットもやる気満点。大きなタコメーターを中心に作られたメーターパネル、ロールケージ、シーケンシャルドグミッションにF-CON Vプロと、ドラッグ仕様らしい作り込みだ。
重量バランスやトラクションの観点から、バッテリーはトランク内のエンド位置に移設。燃料の片寄りによる燃圧ドロップを防止するコレクタータンクは、ハイチューン仕様の必須装備だ。
大パワーを受け止める足回りや駆動系もキッチリと手が入る。リヤサスにはクラウンのホーシングを移植して、デフやドライブシャフトの強度を確保。車高調はフロントがカヤバ、リヤがエナペタル製で、スプリングはノーマルを使用している。
パワーを路面に伝えるリヤタイヤは、ニットーNT555Rの315/35-17という極太サイズをチョイス。これを履くためにフェアレディZ用のオーバーフェンダーを加工して取り付け、150mmのワイド化も施されている。
まさにドラッグスペシャルという言葉が相応しいチューンドだが、全開アタックは命懸けで「毎回無事に帰ってこれるか分からない」とのこと。完全にジャジャ馬というわけだ。
とはいえ、軽量ボディと850psのパワーユニットの組み合わせは強烈の一言。取材時(ドラッグ大会)では、手探り状態だったにも関わらず10秒253の好タイムをマークしたのだ。今後のさらなる躍進に期待したい。(OPTION2誌より抜粋)
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