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往年のスポコンを再解釈したネオスポコン仕様を構築
ドリフトも置きイベントも一台で満喫!
2000年代初頭から日本のカスタムシーンに一大ムーブメントを巻き起こした“スポコン”。映画『ワイルドスピード』の公開なども手伝って、日本でもそのスタイルが一気に流行したのはご存じの通り。
そんなカスタム文化をオーナーなりに再解釈し、現代的要素を盛り込んで製作されたのがこのER34型スカイラインだ。
オーナーは、D1グランプリで大活躍した“のむけん”こと野村謙選手の影響で即ドリ仕様のER34を購入したそうだ。
「3年くらいはそのままの状態でドリフトを楽しんでいたんですが、ボロボロになっちゃって…。で、リフレッシュのためにショップに預けたら“大阪オートメッセ出展を目標に仕上げてみない?”という話になりまして」とはオーナー。
大幅なリメイクを決意したオーナーは、これまでと全く異なるイメージを求めてクールレーシング製のフルボディキットをセレクト。さらに、ドア開閉もシザーズ(ガルウイング)化するなどドレスアップ系に振った要素を次々と投入し、ショーカーとしての純度を高めていったのだ。
ワイド化されたボディに収まるホイールは、19インチのワークエクイップE05(F10.5J−24 R12J−23)。サスペンションはユニバーサルエアのキットを用いてエアサス化を敢行している。「車高調の時とはかなり勝手が違いますけど、この仕様でもエンジョイレベルならドリフトできますよ」とオーナー。
インテリアメイキングも凄まじい。エクステリアに合わせて、ホワイトカラーとブルーカラーの2トーンで張り替えているのだ。ドリフトの埃などによってすぐ汚れてしまうため、定期的なメンテナンスが必要だというから恐れ入る。
ホワイトのグッドガン製フルバケットシートは、このイベントに合わせて新たに投入されたアイテム。オーディオパネル下部に確認できる緑色のトグルスイッチは、アンダーネオンなどの電飾用だ。
サンルーフは純正品だとチルト機構を持たないため、あえて社外品を選択。すでに廃盤となっているメーカー不明品とのことだが、スポコン要素を高めるための重要なパートと言える。
一方の機関系は、純正タービンのブーストアップ仕様で最高出力は約300ps。かなりライトな仕様ではあるが、前置きインタークーラーやエンジンオイルクーラーなど、ドリフトを楽しむためのクーリングチューンは完璧だ。
なお、このスカイラインはショーカーとしての製作後、毎年のように仕様変更を行なっているそう。具体的には単色でのオールペンをした翌年はバイナルグラフィックを貼り込み、その翌年にはまた単色に塗り替えて、グラフィックを…という変遷。そのため、2023年もニューカラーへのオールペンを画策中だ。
「現在のボディカラーは、何色にしようか悩んでる時たまたま目に入った炭酸飲料“マッチ”の色なんです。次はネオスポコンのコンセプトをキープしつつ、全く違った雰囲気にしたいですね」と、ドリフトもドレスアップも楽しむ二刀流オーナーのR34カスタムはまだまだ続く。
PHOTO:小竹 充(Mitsuru KOTAKE)
●取材イベント:第13回R34スカイライン祭り