「新車から育て上げたランエボVII富士攻略機!」名チューナーの技がほとばしるメイキングは必見だ!!

心臓部はMIVEC付き4G63ベースで580馬力まで増強

Gフォースのノウハウが注ぎ込まれた富士アタック仕様

ランサーエボリューションのチューニングシーンで、常に先頭を走り続けている“Gフォース”。バリス製エアロを装着した美しいブルーのランエボVIIは、そんな同社のノウハウが注ぎ込まれた1台。

ベースは新車購入から大切に乗り続けているというオーナーカーで、富士スピードウェイでのタイムアタック専用車として2011年に大幅な見直しを決行。パワーユニットを中心に戦闘力の大幅な増強が敢行されたのだ。

当初のエンジンはHKS2.3LキットにVカムという仕様であったが、さらなるタイムアップを目指してエンジンをランエボIX用のMIVEC(可変バルタイ機構)が搭載された4G63へと変更。東名パワード製の鍛造H断面コンロッドやハイカム(IN264度 EX272度)を組み込み、ギャレットGTX3076Rタービンをセット。これにより、最大ブースト圧2.0キロで580psを発揮するハイスペックへと進化した。

このタービンチョイスは、軸受けがボールベアリング式でレスポンスが良く、最大パワーもキッチリと稼げるから。排気バイパスはウエストゲート式、4-2集合方式のワンオフエキマニを介してエンジンとマッチングさせている。

排気環境は、フロントパイプからエンドまで80φのGフォース砲弾型チタンマフラーを装備。排気効率はもちろん音質にも拘った逸品だ。

トランク内にはコレクタータンクを装備。燃料ポンプは吐出量255l/hの2基掛けで、駆動電圧の安定化を図るためにカーオーディオ用のコンデンサーを追加しているのがポイントだ。

大パワーを支える駆動系チューンにも抜かりなし。ミッションは純正5速MTのままだが、各ギヤにWPC処理を施して強度を向上させている。また、AYCを廃止して機械式の1ウェイタイプLSDを装着。ファイナルは富士に合わせて4.1を組んでいる。

足元を飾るホイール&タイヤは、前後11JのワイドなボルクレーシングTE37と、295幅のアドバンA052という組み合わせ。ブレーキはAPレーシングのキャリパーに2ピースタイプの大径ローターで大パワーを受け止めている。

室内は、アンダーコートが剥がされたフロアやロールケージなどのレーシングテイストと、ナビモニターや携帯ホルダーなどの街乗り装備が混在する独特な仕上がりだ。インパネ周りには様々なコントローラーやメーター類が整然と並ぶ。

すでに、オーナードライブで富士1分49秒6を記録(取材時)している俊足っぷりなのだが、峠で試乗した山田英二選手も「非常に良くできたマシン。エンジンは7500rpmまでレスポンスよく吹け上がるし、パワー感も申し分ない。そしてそのパワーを受け止める足まわりのセッティングが絶妙で、ランエボならではの挙動は生かしながら、バンピーな路面にもしっかりと追従して走る」と大絶賛。

オーナーが愛情をかけながら育成中のランエボVII、名チューナーとの二人三脚で富士スピードウェイへと挑む日々はこれからも続く。(OPTION 2016年12月号より抜粋)

SPECIFICATIONS
■エンジン:4G63(580ps/60kgm) Gフォース マフラー/東名パワード H断面コンロッド、カム(IN264度 EX272度)/HKS 2層インタークーラー、EVC6、F-CON Vプロ/GCG GTX3076Rタービン/ハイパーチューン インマニ/DRL 2層ラジエター ■ドライブトレイン:エクセディ カーボンクラッチ/クスコ LSD ■サスペンション:オーリンズ 車高調(F20kg/mm R20kg/mm)/クスコ スタビライザー ■ブレーキ:apキャリパー+2ピースローター(F4ポット+362mm R2ポット+300mm) ■タイヤ:ヨコハマ アドバンA052(295/35R18) ■ホイール:ボルクレーシングTE37(11J×18) ■インテリア:Gフォース 6点式ロールケージ/レカロ シート ■エクステリア:バリス エアロキット(フロント、サイド、リヤワイドフェンダー)/ボルテックス リヤウイング

●取材協力:Gフォース 神奈川県横浜市鶴見区獅子ヶ谷2-39-68 TEL:045-716-8013

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