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車体整備課の1年生が半年かけて製作!
十二単をモチーフにした内装塗装に、着物生地貼り替えシートがキュート
思わず「あかりをつけましょ、ぼんぼりに〜」と口遊んでしまいそうになる日産キューブの登場だ。製作したのは“関東工業自動車大学校”の学生たち。地元(埼玉県鴻巣市)の名産である“雛人形”の知名度アップを狙って、内外装を徹底的にフルカスタムしているのがハイライトだ。
ベース車両は、最終モデルとなるZ12型キューブ。柄が目立つようにボディのパネル面積が大きい車種を…と考えた結果のセレクトとのこと。
エクステリアのベースカラーはゴールドで、鴻巣市にある雛人形メーカーから資料として提供された雛人形をモチーフに、運転席側は男雛をイメージした亀甲模様を、助手席側は女雛をイメージした小桜模様をそれぞれマスキング塗装で再現した。
ボディの下側は、雛壇に敷く毛氈(もうせん)をモチーフにしており、こちらもゴールドの上にマスキングをしながら塗り重ねていった。
ミラーは雪洞(ぼんぼり)風。こちらはマスキングで形を作りつつ、エアブラシで濃淡のある花びらを表現した。また、質感を区別するためにあえて艶消しクリアで表面をコーティングしているのもポイントだ。
ドアに描かれた屏風はマスキングで木の骨格を作り、そこからエアブラシで梅の花を再現していったという大作だ。
女雛の十二単(じゅうにひとえ)をテーマにした内装のメイキングも凄まじい。塗装が定着しにくい材質のため、作業には細心の注意が必要だったとのこと。
鴻巣市内の雛人形メーカーから提供を受けた専用生地で張り替えられたシート。運転席側が男雛、助手席側は女雛用の生地を使っている。
リヤのラゲッジスペースにセットされた雛人形も、市内のメーカーから提供してもらったもの。しかも、車両の柄のイメージに合わせて着物を製作してもらったというスペシャル仕様だったりする。
ホイール&タイヤは、グラムライツ57C6ターマックエディションと、トーヨータイヤのナノエナジースリープラス(205/40-17)の組み合わせだ。
製作に携わったのは車体整備課1年生の4名(左から曽根原くん、石原くん、高橋くん、須田くん)。細かいマスキング作業と塗り分けは「丸一日使って、片側だけで2週間ほどかかりました…」と、作業の大変さを語ってくれた。
なお、コロナ禍の影響で中止となってしまったが、このキューブはオートサロンの他に鴻巣市のイベント(鴻巣びっくりひな祭り)にも展示予定だったという。地域密着で誕生した超絶カスタム、コンセプトもクオリティも見事だ。
TEXT:山本大介
PHOTO:土屋勇人/金子信敏
●取材協力:関東工業自動車大学校 埼玉県鴻巣市糠田2618-8 TEL:048-596-3555
【関連サイト】
関東工業自動車大学校
https://kanto-koudai.com/