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制御の影響か本来の性能を発揮できず!?
サスセッティングは最高速仕様として熟成の域に到達
東北を代表するチューニングショップ“スクリーン”が開発を進めるGRスープラRZの登場だ。これまでは純正タービンを使い切る548ps仕様でテストを進めていたが、ついにステップアップを敢行。本格的なターボチューンに着手したのだ。
選択したタービンはGCGから発売されているGRスープラRZ用の「ビレットフロー570」。ポン付けタイプながら、その名の通り570psを狙える高風量モデルだ。
このタービンは、純正のブレードに対し、インデューサーと呼ばれる入口側、エクスデューサーと呼ばれる出口側とも直径を6mm拡大。さらに高さも5mm拡大して吸気の流用と圧縮効率を高めている。
対して排気側のタービンブレードは変更していないため、ブーストが正圧となるインターセプトポイントの変化も最小限。具体的にはわずか数100回転差なので、ノーマル同様の扱いやすさを実現している点も見逃せない。
タービン変更に合わせてECU-TEKによるプログラムも刷新。ピークパワーは抑えつつ、中間加速を徹底重視したセッティングとしているのがハイライトだ。吸気系にはレボリューションのインダクションボックスをインストール、冷却系にはCFSのヒートエクスチェンジャー(ラジエター)を採用している。
排気系はRH9がラインナップするチタンマフラーを装着。メインパイプ70φのデュアルレイアウトは、ハイフロータービンを効率的に動かす排気環境としても最適だ。
フットワークは、D2車高調の“MASA-SPEC”を装着。その名前の通り、レーシングドライバーの佐々木雅弘選手が徹底的に仕様を詰めた自信作で、電子制御とのバランスを考慮しながら4輪の接地性能を追求している。スプリングレートはフロント14kg/mm&リヤ28kg/mmというセットだ。
ブレーキはD2ジャパン製で武装。フロントには356mmローターと新作のスポーツホロー6ポッドキャリパーを、リヤには356mmローターにEPBキャリパーをそれぞれ組み合わせる。
ホイールはボルクレーシングのZE40(FR10J+33)、タイヤは前後にポテンザRE-12D(285/35-19)をセットする。
シートは2脚ともホールド性が高いレカロのRS-Gを導入。レーシングハーネスはタカタ製だ。ステアリング右上に見えるAIMのSOLO2は、GPS情報やOBD端子からの車両情報を取り込む脱着式のロガーモニターだ。
エアロパーツはイングス製のNスペックシリーズで統一。ダウンフォース確保による安定性向上と、冷却効率の向上という2つのメリットを実現する高機能なアイテムだ。
このチューンドを高速周回路で走らせた稲田大二郎は「7速6400rpmが限界だった。8速では伸びない。パワーはあるから、何らかの電子制御が介入しているようが気もする。これをクリアできれば300キロ突破は間違いないと思うよ」とコメント。
一筋縄ではいかないGRスープラチューニング。しかし、これまで数々の難題をしなやかな改善策でクリアしてきたスクリーンならば、今回も必ず乗り越えてくれるだろう。リベンジに期待したい。
●取材協力:スクリーン 宮城県富谷市成田9-1-17 TEL:022-348-3761
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