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4気筒エンジン搭載車は星の数ほどあれど・・・
4気筒エンジンを搭載する国産車は山ほどある。となれば街ですれ違う機会も当然増えるわけだが、「俺は他人と同じじゃ嫌だ!!」という、ひねくれた層も一定数いるわけだ。そんな人々にお勧めのマニアックすぎるマシンを紹介していく。
スズキ X-90(LB11S)
時代を先取りしすぎた独創の2シーターSUV
レア度 ★★★★★
スポーティ度 ★★☆☆☆
実用度 ★☆☆☆☆
れっきとしたカタログモデルなのに3年3ヵ月で1300台ちょっとしか売れなかったいわゆる不人気車。ベースは初代エスクード3ドア(TA01W型)で駆動方式はパートタイム4WDとされ、ミッションは5速MTと4速ATが用意された。
ダッシュボードは初代エスクードと共通。どうせならボディに合わせて専用設計にしてほしかった。シートは柄入りの表皮がX-90専用となる。
ボディサイズは全長3710×全幅1695×全高1550mm、ホイールベース2200mm。1080kg(5速MT車)という車重と、低めのギヤ&ファイナル比によって街乗りでは結構キビキビ走る。ルーフは脱着式Tバーでオープンエアを楽しめる。
悪路走破性は高いけど、2人乗りで積載能力もたかが知れてるノッチバックボディゆえ、今時ハヤリのアウトドアに使えるかは未知数。新車価格149万8000円がいきなり50万円引きの99万8000円でディーラーに並んでたという、当時の衝撃的な目撃談も多数あり。
ダイハツ YRVターボ(M201G)
走り痛快ターボパワー!ATしかないのが残念!
レア度 ★★★☆☆
スポーティ度 ★★★★★
実用度 ★★★★☆
ハイトワゴンのYRVにK3-VET型1.3L直4ターボエンジンを載せたホットモデル。当時のダイハツにはそのパワー&トルクを許容できるMTがなく、ミッションは4速ATのみの設定となる点が実に惜しい。
ホワイトメーターやカーボン調パネルがスポーティな雰囲気を演出するダッシュボード周り。スピードメーターは220km/hフルスケールが採用される。4速ATは、左右ステアリングスポークに設けられたスイッチでのマニュアル操作も可能。ただし、そのクリック感は味気なく、スポーツ走行用というよりも、街乗りで積極的にエンジンブレーキを効かせたい時に使うくらいだ。
車重は今や軽量な部類に入る950kg。ボディやシャシーの剛性はかなりユルめで明らかにエンジンが勝ってるから、危うい雰囲気がプンプン漂っていた1980年代のボーイズレーサー感を堪能できる。ちなみに、ブレーキも非常にプア。本気で走るなら(そんなヤツがいるか知らんけど)強化は必須だ。
スズキ キザシ(RE91S)
警察関係車両と疑われるスズキのフラッグシップ
レア度 ★★★☆☆
スポーティ度 ★★☆☆☆
実用度 ★★★★★
まるでポテンザの新製品みたいなRE91Sという車両型式を持つキザシ。「一般向けに販売された車両より警察車両の方が多い」とも言われるが、総登録台数約3400台中、警察関係車両は900台弱なので、一般向けの方が多いというのが事実だったりする。
エンジンは2.4L直4のJ24B型で、ミッションはマニュアルモード付きCVTを搭載。ステアリングコラムに設けられたパドルでもシフト操作が可能だ。
ボディの剛性感は十分。エンジン特性も低中速トルクに余裕があって、6000rpmオーバーまでパワーが付いてくるなど動力性能に不満なし。安定感のあるハンドリングやダンピングの効いた乗り心地はヨーロッパ車的で、18インチの45扁平タイヤを良く履きこなしてる。また、静粛性も保たれ、「軽自動車メインのスズキとしては相当頑張って作ったんだなぁ」と思わずにはいられなかった。
本革巻きステアリングホイールは、右スポーク部にクルーズコントロール用、左スポーク部にオーディオ用の操作スイッチを装備。スピードメーターは240km/hフルスケールが採用される。
本革シートも標準装備。運転席は前後スライド&座面高さ、リクライニング、ランバーサポートが電動調整式となり、予めセットした3つのポジションをスイッチ一つで呼び出せるメモリー機能も付く。
フルオートエアコンやクルーズコントロールが標準装備されるなど、快適性の面でもスズキのフラッグシップに恥じない内容。北米仕様には設定される6速MTがもし存在してたら、日本での販売台数も伸びた…可能性は極めて低いだろう。やはり、スズキが扱うには大きすぎるクルマだったのか!?
Part.2へ続く
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