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純正比65パーセントの軽量化を実現したドライカーボンモデル
吸気効率アップとタービン作動状態の均一化にも貢献!
東京オートサロン2022に開発中のプロトタイプを参考出品し、大きな話題を集めた“HKS”のRB26DETT用「CFRPインテークシステム」。この必殺チューニングパーツがついに正式発売となった。
このインテークシステムは、流速や抵抗などを最新の流体解析ソフトで解析し、理想的な形状へと導いた逸品。パイピングの径やレイアウトをタービンごとで変え、ツインターボそれぞれの吸気流量が均一になるよう設計されている。
素材はドライカーボンだが、部位によって含有する樹脂を変えているのが大きなポイント。というのも、エキポシ系の樹脂を使った一般的なドライカーボンは耐熱温度が120度ほどで、タービン付近の熱には耐えられない。そのため、HKSでは航空宇宙・防衛用途のシアネートエステル系の樹脂を使ったドライカーボンを採用。純正仕様に対して65パーセントという軽量化を達成しつつ、高い耐熱性も実現しているのだ。
インダクションボックスは、吸気温度の低減を狙って純正同様のクローズドレイアウトで設計。内部フィルターは純正から6パーセントの容量アップを果たした専用品だ。また、外気導入口もデュアル化して断面積を2.4倍まで広げている。これにより、剥き出しタイプのHKSスーパーパワーフローに比べて、吸気温度上昇を約60パーセント、圧力損失も46パーセント低減させることに成功した。
サクションパイプ内に組み込んだ、アンチサージプレートという新技術も見逃せない。噛み砕くと、タービン直前のパイプ内に整流板を設けるのだが、このプレートでサージ発生の要因となる強旋回を伴う再循環流(逆流)を抑制。実際の性能評価試験では、サージ流量の12〜25パーセント低減を確認しているほど。これまで、RB26DETTツインターボの課題だった吸気干渉の発生マージンを拡大することに成功したのである。
気になる価格は173万8000円。なお、受注数がHKSの想定を上回った場合は抽選販売になるそうだ。初回受注分のデリバリー(2023年9月予定)が終了次第、2回目の受注を行うことになっているが、昨今の原材料高騰を踏まえると価格変更の可能性も少なくないという。
究極のインテーク環境を望むBNR32使いは、この機会をお見逃しなく!
PHOTO:金子信敏
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