量産型では710ps程度に抑えられる可能性あり

BMWのスポーツ部門は、待望の電気自動車BMW M3のテストをスウェーデンで昨年の冬季テストシーズンから開始した。そして4月には、別のプロトタイプがニュルブルクリンクを疾走する姿が目撃された。どちらのテスト車両も、BMWが以前に公開・発表した車両と同一のものだった。しかし、このプロトタイプから、量産モデルはこれまで撮影されたものとは若干異なることが確認され、これまでは、いわゆる「ミュール」、あるいは初期段階のプロトタイプであることが判明した。いずれにせよ、BMW M3は2027年にディーラーに登場予定となっている。

今回、カメラマンは電気自動車M3の予備的な重量データが記載されたシャシータグを発見したという。それによると、電気自動車M3は、ガソリン車よりも1,000ポンド(約450kg)以上重くなる可能性があるという衝撃の事実が発覚したのだ。
記載されていた重量は4つで、2,675kg(5,897ポンド)、4,475kg(9,865ポンド)、1,250kg(2,756ポンド)、1,475kg(3,252ポンド)だったという。最初の数字2,675kg(5,897ポンド)は、車両総重量、つまり車両自体の質量、乗員、積荷、液体を含む許容総重量を表している。2番目の数字4,475kg(9,865ポンド)は、トレーラー牽引時の総重量を指していると思われる。最後の2つの数字は、最大軸重を示しており、前輪が1,250kg(2,756ポンド)、後輪が1,475kg(3,252ポンド)だ。
目立つ数字は、暫定的な車両総重量2,675kg(5,897ポンド)で、これが現行の内燃機関搭載M3セダンと比較するとどの程度になるかを示している。 BMWのスペックシートによると、ベースモデルのM3の車両重量は1,780kg(3,924ポンド)、最大許容重量(おそらく総重量に相当)は2,210kg(4,872ポンド)だ。
つまり、電気自動車のM3プロトタイプは、ガソリン車よりも少なくとも465kg(1,025ポンド)重くなる。ただし、ICEモデルの総重量には、燃料タンク満タン時とEVには不要な各種液体が含まれていることを指摘しておく必要があるだろう。
捉えたプロトタイプは、これまで見えなかったディテールを垣間見ることができる。渦巻き状のカモフラージュに惑わされるかもしれないが、これはプロトタイプのボディワーク、つまりよりワイドなホイールアーチを備えた量産モデルだ。足回りには、G80やG82 M3と同様の、スポークデザインが特徴的な、目を引くブラックホイールも装着。ブレーキはアルミホイールの直径全体を占める巨大な2枚のディスクを備え、両車軸に穴が開けられているため、熱をより素早く放散する。
助手席側の窓からわずかに見える車内には、BMWが2025年初頭にラスベガスで開催されたCESで披露したのと同じ、中央に搭載されたタブレット型タッチスクリーンとフロントガラス下部に全幅のヘッドアップディスプレイを備えたパノラミックiDriveが搭載されている様子もうかがえる。
パワートレインは、4基の電動モーターが各ホイールに1つずつ搭載されることがわかっている。BMWの開発責任者であるフランク・ウェーバー氏は、これらが最大1360ps(1000kW)の高度なトルクベクタリング技術を備えていると語っているが、量産型では710ps程度に抑えられる可能性が高いだろう。しかし、「M3 CS」の550psを考慮すればとんでもない数値と言えそうで、EVによる加重はこのパワーにより帳消しとなりそうだ。
M3新型のワールドプレミアは、早くても2026年末で、ディーラーで実際に触れられるのは2027年初頭まで待たなければならないだろう。












