20系の狙い目は5.0L V8エンジンの「レクサス IS F」 !(2代目・販売期間:2005年~2013年)

2代目ISは、レクサスの日本展開が始まった2005年当初からラインナップに並ぶ代表車種と言えるだろう。当時のBMW 3シリーズなどを強く意識したFR(フロントエンジン・リアドライブ)レイアウトと、ドライバーを重視した設計がISの特徴だ。

全長4575mm×全幅1795mm×全高1430mmの比較的コンパクトなボディには、最高出力250psの2.5リッターV6エンジン、もしくは318psの3.5リッターV型6気筒が押し込まれており、トランスミッションはどちらにも6速ATが組み合わされる。

2010年8月25日のマイナーチェンジで細部意匠に変更が加えられ、同時に専用デザインのバンパーや大径ホイール、専用サスペンションを装備した「F SPORT」も新設定された。

登場してから時間が経過している2代目ISの中古車相場は、40万円から150万円程度だ。走行距離5万km以下の個体であれば80万円からが目安となり、マイナーチェンジ後のモデルは100万円程度が現在の最安値となる。市場では2.5リッターエンジンのIS250の流通量が多く、IS350はやや希少な存在となっている。

また2代目ISにはコンバーチブルクーペの「IS C」や、最高出力423psの5.0リッターV型8気筒エンジンを搭載したうえでシャシーの細部までスポーツチューンが施された新車価格800万円以上の「IS F」もラインナップしていた。現在の中古車市場には、状態を問わなければ250万円程度の「IS C」や「IS F」も出回っている。

とくに「IS F」は維持費もメンテナンス費用も相応にかかるが、これだけのスペックを誇る大排気量FRスポーツセダンを、この価格で手に入れられる機会はなかなかない。サーキット用にIS Fの購入を検討するのもよいだろう。

30系レクサスISは前期型の買得感が高い!(3代目・販売期間:2013年5月~)

3代目レクサス ISは、高張力鋼板の使用範囲拡大や新溶接工法などの採用によりボディ剛性が飛躍的に向上している。ボディサイズは全長4665mm×全幅1810mm×全高1430mmとやや大型化したが、スポーツセダンとしての資質はさらに高められた。また、衝突回避支援パッケージ「レクサス・セーフティ・システム+」が導入されたのも3代目からだ。

グレードラインナップは2.5リッターV型6気筒エンジン+6速ATの「IS250」、3.5リッターV型6気筒エンジン+8速ATの「IS350」に加え、3代目には2.5リッター直列4気筒ハイブリッドエンジン「IS300h」も用意された。

2015年7月には、最高出力245psを発揮する2.0L直列4気筒ターボエンジンの「IS200t」が追加され、2017年10月以降のモデルはグレード名称が「IS200t」から「IS300」へと変更されている。また2022年には5.0リッターV型8気筒エンジンを搭載した「IS500」もラインナップへ加わった。

現在の3代目ISの中古車価格は、初期モデルの「IS250」から未使用車の「IS300h」まで90万円〜600万円程度で販売されている。「IS500」の価格は新車価格に近い700万円からだ。

走行距離5万km以下の車両は「IS250」「IS350」「IS200t(IS300)」が150万円から、「IS300h」は200万円からが目安となる。

3代目レクサス ISは2020年11月に後期型へと変わり、特徴的だったフロントフェイスが精悍な顔つきに改められた。ただし後期型の最低価格は350万円と年式相応にやや高めだ。

レクサスISの競合車種としては同年代のレクサスGS、トヨタ クラウンアスリート、日産 スカイラインなどが挙がり、中古車価格もそれらのほうが安い。しかしレクサス ISは、一際コンパクトなボディサイズでFRスポーツセダンらしいキャラクターを強く打ち出している点が大きな魅力だ。

ISに搭載される各エンジンは、トヨタやレクサスの他車種で広く用いられており信頼性も高い。なかでも前期型はスポーツセダンとして比較的安く手に入れられるため、フロントフェイスのデザインが好みに合えば買い得なモデルと言えるだろう。