同じ年に誕生した2台が、新たな時代を切り開いた!

1997年に登場した世界初の量産ハイブリッド自動車、プリウス。モーターとエンジンを使い分けることでリッター28㎞という低燃費を達成。車両価格215万円という手頃さもあり人気を博した。

そんなプリウスが発売されたのとおなじ1997年。トヨタはSUVでありながらセダンのような快適性と高級感を備えたハリアーを投入。1998年に初代レクサスRXが日本以外で発売開始され、北米を中心に大ヒットを遂げた。

バブル景気が崩壊し、山一証券や拓殖銀行が相次いで破綻するなど暗いニュースが影をおとした20世紀末。エコカーの時代を切り開いたプリウスと、高級クロスオーバーSUVの先駆けとなるハリアーという、世界市場を見据えた2台をリリースしたのはトヨタの英断だったといえるだろう。

21世紀に突入すると、ハリアー(レクサスRX)の躍進を見た世界中のメーカーが、後を追うようにして高級SUVという新たなジャンルに新型車を投入。いまやセダンやワゴンを凌駕するほどの活況を呈している。

新たな価値観を開拓し、意欲的に先進安全装備を充実させることで時代を切り開いてきたハリアー。ただ高級・上質なだけでなく、安全・安心なクルマ作りに注力してきたのも、ユーザーに受け入れられた所以といえるだろう。

【1997年・初代10系】クロスオーバーSUVの先駆者

1997年に登場。オフロード中心に設計されていたクロスカントリーSUVに、日常性や快適性をプラスしたパッケージは斬新で、瞬く間に一斉を風靡した。6代目カムリのプラットフォームをベースとし、セダンに匹敵する静粛性や乗り心地のよさを実現。初代、2代目は、海外ではレクサスRXとして販売。大ヒットとなった。
都市部でも使い勝手のいいSUVという新発想は、新たな価値観を生み出した。前期型は3ℓV6と2.2ℓ直列4気筒で、後期型では直列4気筒の2.2ℓ、2.4ℓを搭載していた。

【2003年・2代目30系】SUV初のハイブリッド&安全装備

2代目の登場は2003年。コンセプトを変えずに正常進化を遂げた。最上位グレードのAIRSには新開発の電子制御式エアサスペンションを採用。さらに衝突被害軽減ブレーキであるプリクラッシュセーフィティ(オプション)を世界で初めて投入するなど、先進技術が惜しみなく注ぎ込まれた。また2005年にはハリアー・ハイブリッドもデビュー。加速性能と燃費性能を両立している。
外装はより洗練された印象になった2代目ハリアー。上位グレードでは光軸を自動調整するオートレベリング機構付きHIDヘッドライトを標準装備する。クリアなテールランプも印象的だ。

【2013年・3代目 60系】国内専用モデルとして新たな船出

海外市場を見据えたレクサスRXと切り離され、国内専用モデルとして再スタートを切った3代目ハリアー。日本の道路事情に合わせてボディを小型化し、搭載エンジンも小さくなった。これにより取り回しが向上し、広い室内空間を実現したのがポイントといえる。中古車の流通量が豊富で、カスタマイズベースとしても注目度が高いモデルだ。
RAV4とプラットフォームを共有。顔つきがシャープな印象になり、先進的なデザインに生まれ変わった。なお全車にLEDヘッドライトを標準搭載している。パワートレインは2ℓガソリンと2.5ℓハイブリッドになり、2017年のマイナーチェンジでは2ℓターボも追加された。

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STYLE RV(スタイルRV) Vol.162 トヨタ ハリアー No.11より