EVとFCV(水素燃料電池車)で箱根駅伝の運営支援

トヨタ自動車は、2026年1月2日、3日に開催される第102回箱根駅伝に、電気自動車(EV)と燃料電池車(FCV)を合わせて18台を提供すると発表した。排出ガスを出さない車両の提供により、選手や環境に配慮した大会運営をサポートする。

大会運営車両には、FCV「クラウン セダン」や電動モビリティ「e-Palette」などを採用。e-Paletteは東京オリンピック・パラリンピックで使用された自動運転対応のEVで、静粛性と車内スペースを活かして医務車、緊急対応車として活躍する。これら18台のEV/FCVにより、前回大会に比べて運営車両のCO₂排出量を大幅に削減できるとしている。

今回の箱根駅伝では、e-Paletteは自動運転ではなくドライバーが運転する。

一方、出場大学に貸与される車両には、ハイブリッド車(HV)の「ノア」「ヴォクシー」を22台提供する。これらは植物由来成分のバイオ燃料を10%混合した低炭素ガソリンを使用し、燃料段階からの排出削減を実現する構成だ。

トヨタは2011年から箱根駅伝に車両提供を続けており、近年はハイブリッド車を中心に支援してきた。今回のEVとFCVの再投入は、同社が掲げる「マルチパスウェイ戦略」(多様な動力源での脱炭素化)の一環であり、電動化と低炭素燃料の両立を社会に示す取り組みとなる。

実際の箱根駅伝コースでテスト走行を行うe-Palette。

正月恒例の箱根駅伝は、全国規模で放送される大学スポーツの象徴的イベントだ。沿道での観客やテレビ視聴者に、トヨタのカーボンニュートラルに向けた自社の技術と姿勢を広く発信するだけでなく、大会運営の現場で、EV・FCV・HVがそれぞれの特性を発揮しながら“走る実証”を行う姿は、未来のモビリティのあり方を示す象徴となるだろう。