LAND CRUISER PRADO “NEWSCAPE”
一昨年のジャパンモビリティショー2023に続いて、先頃行われたジャパンモビリティショー2025にも出品された「CORDE by(コーデ バイ)」のトヨタ・ランドクルーザー プラド150系。
トヨタ販売店が点検・整備を行った中古車のプラドをベースに、アメリカのアウトドアブランド「THE NORTH FACE(ノースフェイス)」とのコラボカスタムをまとっているが、ついに『NEWSCAPE』というモデル名が付けられ、2026年春に発売されることが決まった。

今回新たに発表されたNEWSCAPEは、2023年にお披露目された車両よりも大幅に進化。まず、有機的な材料から繊維素材を造ったベンチャー企業「スパイダー」の技術が入ったシートカバーやノースフェイスのロゴ入りフューエルリッド、マッドガード、フラットタイプルーフラック、マッドタイヤ&アルミホイールといった特別装備品は踏襲し、ロゴ入りセンターコンソールリッド、トヨタロゴ入りフロアマットなどが追加された。
車内の装備品は豪奢な感じのするアイテムだったが、少々高級感がありすぎて気後れがする部分もないわけではない。というのも、アウトドア派は必ずしも身ぎれいな状態で乗車しない。時として、雨や泥で汚れた状態で乗らざるを得ない時もある。そんな時はむしろ、“手触りがいいシート”よりも、汚れをサッと拭き取りやすい素材の方がありがたい。加えてシート表皮に入った白いノースフェイスのロゴも、しばらくしたら汚れてしまいそう…という心配がよぎる。
さて外観上で最も変わったのは、まずボディカラーだ。2023年版の「メルドグレー」に加えて、今回新たに「グラファイトグレー」を追加。これは、かつてノースフェイスが山岳用ハードシェルなどに採用していたカラーを再現している。登山愛好家にはなじみ深い色といえる。
加えて、フェンダー、フロントバンパー、サイドミラー、リアバンパー&コーナーにフラットブラックの加飾パネルが追加されたのも目新しい。ノースフェイスファンなら周知だと思うが、同ブランドの登山用ジャケットには、肩や肘などすり切れやすい箇所に黒いパッドが張られている。そのイメージを外装カスタムに反映させたのだという。

ちなみに、クォーターウインドウに奢られた山岳テント「ジオドーム4」をイメージしたグラフィックは、視認性を理由に採用が見送られている。
NEWSCAPEの内外装すべてにノースフェイス色があふれており、これはファンにとって垂涎の的なクルマに違いない。しかし気になる点がいくつかある。まず車両のコンディションだ。中古車をベースにするわけだから、果たして個々のコンディションにバラつきが出るのではないだろうか。
「そこは十分に考えています。まず車両はトヨタの認定中古車の基準に則ってコンディションを選び、メカニズムや走行距離などで大きな差が出ないようにする予定です。あくまでもトヨタ認定中古車の整備メニューということになるので新車同様とはいきませんが、品質面ではユーザー様にご納得いただけるようにする予定です」と担当者は語る。
気になるもうひとつのポイントは車両価格。今回、正式な発売は発表されたが、プライスのことまではアナウンスされていない。「現在、検討中です」とのことだったので、“150系プラドの新車価格くらい?”と投げてみた。「まあ、その線でできるよう調整中です」とのことだ。
ベース車両のコンディションは気になるが、これだけの装備が付いているならそれも仕方がないかもしれない。ただ、魅力はあっても中古車なのだから、やはり新車価格よりも少しだけ安く買いたい…というのが、ユーザー心ではないだろうか。




