モトチャンプ 2024年5月号

スーパーカブシリーズ マフラー交換のソコが知りたい!

改造屋スピリット漲る会心のニーゴーキラー

レーシングマシンのような迫力と乗り味。KN企画が手掛けたR125には、ポン付けカスタムとは別次元のまさにチューニングのプロの仕事ぶりを見ることができる。マシンを製作したKN企画の佐々木さんご本人の話を交えて解説したい。

話しを聞いたのはこの人!

KN-YOKOHAMA佐々木さん 
KN企画の関東支部としてブランドを支える「KN-YOKOHAMA」の店長。スクーターからミッション車まであらゆるミニバイクのチューニングに精通し、その知識と実力は業界屈指!

テスターはこの人!

ケニー佐川 
昔はNK選手権や鈴鹿4耐などのレースに参戦し、自分でマシン作りやセッティングするなど、こう見えてチューニングにも造詣が深い(笑)。

まず知りたいのは開発コンセプト。「過激に見えるかもしれませんが、実は若者からベテランまで幅広い層に楽しんでもらえるよう扱いやすさを重視しています」と同氏。昔NSRやTZRなどを改造したりボアアップして遊んだりした「ノリ」を再現したかったという。たしかに昭和の頃は速いバイクを買うのではなく、マシンを改造して腕を磨きながら速くなったものだ。そんな懐かしい時代の香りがするマシンだ。

YZF‐R125をベースに選んだ理由としては、単純に素材として優れているから。「デルタボックスフレームに倒立フォークで元々シャーシがいいんですよ。エンジンもNMAX系なのでウチで開発してきたパーツも使いやすい」のだとか。183ccまでボアアップされたエンジンも、たまたまアジア選手権で使っていた先代R15用のレース用パーツを流用している。ボアアップだけで60cc近く増量とは恐れ入るが、元々はR15(155cc)のエンジンボアダウン版がR125なので十分なキャパがあるそうだ。排気量に合わせてスロットルボディも拡大。ノーマルのφ30mmからシグナスグリファス用にKN企画で開発したφ36 mmを流用するなど、長年のスクーター&小排気量チューンで培ってきた豊富な経験・ノウハウが生かされている。ここまでやると、さすがにECUもノーマルとはいかず、燃調や点火時期などを自在にセッティングできるフルコンを搭載。エキゾーストも「HOTLAP」のKN企画モデルに変更されている。

Point of tuning パワーに直結するのはここ!

心臓部はボアアップのみ!腰下までやれば200ccオーバーも!?

▲KN企画製ボアアップキットによりシリンダー&ピストンを変更し排気量を183ccまでアップ。ヘッド周りや腰下はノーマルのままだが、コンロッドやクランクなど腰下まで手を加えれば200cc超えも可能だとか。


マフラーはホットラップのKN企画モデル

マフラーはHOTLAP製KN企画モデルでボアアップエンジン向けに開発された発売予定の試作品。見た目やサウンドも超レーシー。

「aRacer」でフルコン制御!

出力特性を制御するバイクの頭脳に当たるECUはaRacer製RC SuperXのフルコンに換装。燃調や点火時期マップも細かく設定可能。VVAの作動タイミングも変更可能だ。

ビッグスロボで吸気も増大

パワーと最高速アップに直結するFIのスロットルボディはKN企画製φ36mm大口径タイプを採用し純正比6%アップ! エアクリーナーもSTAGE6製で吸気の強化も万全だ。

足周りのアップグレードも抜かりない。フロントディスクはノーマル同径φ286mmのKN企画製で現在さらに強力なφ320mmを製作中。リヤショックをはじめ、ブレーキキャリパー&マスターシリンダー、レバーやステップ類なども含めマレーシアの人気ブランド「RCB」製を採用している。「タイヤをラジアルに変えてグリップ性能が増した分、ブレーキもしっかり効かせたいですから。車体的にももっと攻められます!」と佐々木さん。ちなみにRCBは比較的安くて性能が良くアジアでは超人気。R125のシングルディスクと4ポットキャリパーとの相性も良いとのこと。ただ、ブレーキレバーを握ったときにタッチが若干スポンジーなのでホースはメッシュに変える予定だ。

「段違いのトルクに感動下振りで扱いやすいのにも驚いた」byケニー佐川

さて試乗した感想だが、とにかくエンジンがパワフルで加速力は優にR15を超えている。125だった片鱗は跡形もないほどの豹変ぶりだ。5000rpm辺りからあふれるトルクでぐいぐい加速していく。最初はノーマル同様の7000rpm(インジケーターが光るタイミング)でシフトアップしていたが、高回転まで引っ張るより早め早めにギヤをかき上げてトルクの波に乗せていくほうが加速も伸びる。メーターを見ると、ストレート速度が全然違う。サーキット秋ヶ瀬の短いストレートでノーマルは4速のところ、こちらは5速まで楽々入る。シフトがやや忙しいがフルコンにオプションのクイックシフターがまるでレーサーのようなスムーズさでカチカチとギヤを送り込んでくれる。

Detail check! ほかにも気になるパーツあり!

KOSO製シーケンシャルLEDウインカー4(クリアーレンズ左右セット)を採用。スリムなデザインと流れる発光がカッコいい!
RCB 製バックステップはカチッとした剛性感と程良いアップ&バックがスポーツライドに最適。スムーズな反応のクイックシフター(フルコンのオプション)とセットで使いたい。

 

ゴールドに輝くキャリパーはリニアな効きでコントロールしやすいRCB製4ポット。ダンロップ製α14は前後ワンサイズアップ(F 110/70-17・R 150/60-17)でラジアルに。
クラッチレバーもRCB製。レーシーなデザインの可倒式タイプで操作しやすく万が一の転倒にも強い。ドレスアップにも最適だ。
マスターシリンダーも前後にRCB製を採用。フロントはリニアなタッチで強力に効くラジアルポンプタイプ(ピストン径φ14㎜)。
RCB製でイニシャル&減衰調整機能付きの本格派。ショック長265㎜(ノーマル262.5㎜)でリヤ上がりのスポーツ志向のハンドリングに。

PowerCheck! パワーチェックでその実力が浮き彫りに!


パワーグラフを見れば一目瞭然でノーマル(赤線)とKN企画(青線)では線がまったく重ならないほど大きな差がある。パワーにして1.4倍近く、トルクでは実に1.5倍以上の差だ。注目は波形の美しさで4000rpm〜7000rpmの広い範囲でフラットに最大トルクをキープ。だから速くて扱いやすい。

深くローレットが刻まれた剛性感のあるステップによって倒し込みの入力もしやすく、MOSの軽量鍛造ホイールが空気のような軽さでコーナーへとマシンを放り込んでいく。コーナリングでの圧倒的な安心感はやはりラジアルタイヤの恩恵だろう。ダンロップ製α14タイヤのフロントの接地感は絶大で進入時のブレーキコントロールもしやすく、ワンサイズ太くなったリヤタイヤとRCB製リヤショックのしなやかな剛性感が立ち上がり加速でのトルクをしっかりと受け止めてくれた。

「ノーマルは低中速トルク寄りだけどビッグボアで圧縮が高くなればハイカムで抜くのがセオリー。ハイカムを入れて上振りにすれば高回転が伸びてさらに大化けすると思う」と目を細める佐々木さん。となると、R125で250ccスポーツをぶち抜くことも夢ではないかも。2ストならまだしも4ストで2倍の排気量マシンを食うという、なんとも大胆不敵な構想だが、そこにロマンを感じるのはオレだけではないはずだ。昭和にタイムスリップしたような改造屋魂にあっぱれである。今後のさらなる進化も楽しみにしてほしい!

パワーチェックはエムファクトリー!


パワーチェックはMファクトリーが取り扱う「Dynostar」で計測(計測料金は4400円〜※ミニバイク)。ノーマルとKN企画仕様を2台比較し、代表の三保田さんが驚くほどの違いが浮き彫りとなった。

M-Factory

埼玉県越谷市川柳町1-2-17/☎︎048-987-0940