後席の広さはラパンLCが上、居住性や快適性はN-ONEに軍配




外観は、どちらも丸目ヘッドライトを採用したキュートなスタイルが特徴だ。ラパンLCは、1967年に発売された2代目スズキ フロンテ360の型式である「LC10」をサブネームに用い、ラパンに専用内外装を与えた特別モデルとなる。
N-ONEは同じく1967年に発売されたホンダ N360のオマージュデザインを取り入れたモデルであり、新しく追加された特別仕様車クラフトスタイルはフロントグリルにクロームメッキの装飾が施され、外装各部にもホワイトのアクセントが加えられている。どちらも可愛らしさに加え、レトロスポーツな雰囲気を纏う2台だ。
全高はN-ONEの方が20mmほど高いが、室内高はラパンLCの方が45mmも広く、後席の膝周り空間もラパンLCの方がほんのわずかに余裕がある。しかしN-ONEは、後席中央床面に邪魔なセンタートンネルがないためラパンLCに比べて足元の開放感は高い。
どちらも後席背もたれは左右分割可倒となっているが、ラパンLCにはスライド機構もリクライニング機構も備わらず床面も一体式だ。N-ONEにもスライド機構は備わらないが座面は別体となっており、調整幅は少ないもののリクライニング機構も備わっている。広さの違いを差し引いても、後席の快適性が高いのはN-ONEの方と言えるだろう。
荷室空間に関しても広いのはN-ONEの方であり、リヤシートにはチップアップ機構も備わっているため後席座面を引き起こしてベビーカーを縦積みすることも可能だ。
スズキ ラパンLC HYBRID X
ボディサイズ=全長3395mm×全幅1475mm×全高1525mm
ホイールベース=2460mm
車両重量=710kg
タイヤサイズ=155/65R14(前後)
ホンダ N-ONE Original 特別仕様車CRAFT STYLE
ボディサイズ=全長3395mm×全幅1475mm×全高1545mm
ホイールベース=2520mm
車両重量=840kg
タイヤサイズ=155/65R14(前後)
ラパンLCはマイルドハイブリッドエンジンを新採用! 燃費性能でも勝る


ラパンLCは2025年8月25日の一部仕様変更で、R06型エンジンをベースに自然吸気専用に開発されたR06D型+マイルドハイブリッドシステムのパワートレインに換装された。
一方、OriginalグレードをベースとするN-ONEのクラフトスタイルのエンジンは、ターボチャージャーもマイルドハイブリッドシステムも備わらない自然吸気エンジンだ。
エンジン単体でのスペックは可変バルブタイミング機構に加えてバルブリフト量まで可変させられるi-VTECを搭載したN-ONEの方が高い。しかし、ストップ&ゴーが多い街乗りでの燃費性能や加速性能は、最大トルク40Nmのモーターを使って加速できるラパンLCの方が上と言えるだろう。
両者のWLTCモード平均燃費性能はラパンLCが27.3km/L(ハイブリッドX)、N-ONEが23.2km/L(Originalクラフトスタイル)となる。
燃費性能ではラパンLCに大きく劣るN-ONEだが、エンジンの回転の滑らかさと静粛性では定評があり、アクセルを踏み込めば息の長い加速感が得られる。静粛性やボディ剛性といった点でもN-ONEの方が一枚上手だ。N-ONEは、より高い速度域では軽自動車らしからぬ乗り味を発揮してくれるだろう。
またN-ONEは、ラパンLCには設定がないターボグレードやMTグレードが選べる美点もある。2025年11月の改良では「RS」がMT専用グレードに変わり、内装装飾にも変更が加えられている。
スズキ ラパンLC HYBRID X
エンジン形式=直列3気筒ガソリンエンジン+モーター
排気量=657cc
最高出力=49ps/6500rpm
最大トルク=58Nm/5000rpm
トランスミッション=CVT
駆動方式=2WD(FF)
ホンダ N-ONE Original 特別仕様車CRAFT STYLE
エンジン形式=直列3気筒ガソリンエンジン
排気量=658cc
最高出力=58ps/7300rpm
最大トルク=65Nm/4800rpm
トランスミッション=CVT
駆動方式=2WD(FF)
ラパンは内外装の特別感が魅力!使い勝手はN-ONEの方が高い


この2台を比較するうえで内装デザインは無視できない要素となる。
ラパンLCは、トラッドブラウンカラー表皮のコンビシートに、ダークブラウン×アイボリーカラーの本革巻ステアリングホイールが装着され、テーブル形状をしたインパネはダークグレーの木目調の化粧板仕上げだ。天井にもキルト調のアクセントが加えられており特別感は非常に高い。
他方、N-ONEの内装は、一部改良でメーターは7インチの液晶メーターに変わり先進性が増した。特別仕様車クラフトスタイルは、ブラックを基調色としたインテリアにグレーに近い色のウッド調の専用インパネガーニッシュが組み合わされる。
両者の新車価格は、ラパンLCの上級グレード「ハイブリッドX」が186万8900円、N-ONE「Original特別仕様車クラフトスタイル」が188万1000円だ。
価格はラパンLCの方がわずかに安い。ただし、ラパンLCはアダプティブクルーズコントロールがオプションでも選べないのに対し、N-ONEの方は標準装備となる。
レトロ感溢れる専用内外装とマイルドハイブリッドシステムが備わるラパンLCは、街乗りに向いたクルマと言えるだろう。対するN-ONEは、ラパンLCよりも街乗りから高速道路まで幅広く使いやすいクルマと言えそうだ。最小回転半径がラパンLCが4.4m、N-ONEが4.8mと大きめの差があることも、両車の性格の違いを際立たせる。
もちろん、ラパンLCが高速道路を利用できないわけではない。しかしパーソナルカーとしてより幅広い使い勝手を求めるのであれば、明らかにN-ONEの方が買い得感は高いだろう。ラパンLCの魅力は良くも悪くも内外装の特別感に尽きると言えるかもしれない。
車両本体価格
スズキ ラパンLC HYBRID X:186万8900円
ホンダ N-ONE Original 特別仕様車CRAFT STYLE:188万1000円
