使い勝手が高いのはRAV4よりもエクストレイル




新型RAV4の「アドベンチャー」グレードは専用デザインのバンパーやフェンダーアーチモール、マットグレーメタリックのホイールやミネラルカラーの内装装飾で、先代のRAV4らしい無骨感を色濃く残したグレードだ。
対するエクストレイルの「ロッククリーク」は、専用のフロントバンパーやマットブラックのアルミホイールを装備し、各部に溶岩を連想させる「ラバレッド」の差し色を随所に配置することで、精悍なイメージを持つエクストレイルをラギッドなスタイルに変貌させたオーテックの特装グレードとなる。
パッケージングに関しては両者互角と言ってよいだろう。RAV4は先代からホイールベースを含めてボディサイズが変わっておらず、後席空間を比べてもエクストレイルとの大きな差はない。
ただし、車内機能には差がある。どちらも後席にはリクライニング機構が備わるが、エクストレイルの方が可変角度、段数ともに多いうえ、後席はスライドが可能となっていることで乗員に応じて荷室空間を調整できる。さらにリヤドアが90°近くまで開くエクストレイルの方が乗降性も高い。
両者の5名乗車時の荷室容量はエクストレイルが575リットルに対し、RAV4はリヤハッチの傾斜が急角度になったことで、荷室容量が約170リットル増加した749リットルへと拡大され、手前側にも背の高い荷物を積みやすくなった。
さらに、RAV4は後席を倒したときの荷室床面の傾斜が抑えられるとともに、荷室内トリム形状の変更によっても荷室容量を増加させている。また、高めの後席シートバック高により後席乗員はゆったりと身体を預けられるうえ、後席を倒したときには荷室床面を長く確保できる美点は先代から変わっていない。
ただし両者ともにシート表皮は耐水性が高い素材が用いられているものの、どちらも荷室は防水仕様になっておらず、アウトドアで荷室を多用する場合にはオプションなどで対策が必要となる点は共通だ。
トヨタ RAV4 Adventure
ボディサイズ=全長4620mm×全幅1880mm×全高1680mm
ホイールベース=2690mm
車両重量=1710kg
タイヤサイズ=235/60R18(前後)
日産 エクストレイル ROCK CREEK e-4ORCE
ボディサイズ=全長4690mm×全幅1840mm×全高1720mm
ホイールベース=2705mm
車両重量=1870kg
タイヤサイズ=235/55R19(前後)
新型RAV4は動力性能/燃費性能が微増! 乗り心地もアップ


両者のパワートレインは、RAV4がエンジンとモーターを適宜使い分けるシリーズパラレル方式の「THS-II」、エクストレイルはエンジンで発電しモーターで走行するシリーズハイブリッド方式の「e-POWER」だ。
新型RAV4のエンジンは、先代からのキャリーオーバーとなる2.5L 直列4気筒エンジンだが最高出力が9ps向上。リヤモーターのスペックは先代と同じ54ps/121Nmに留まるものの、フロントモーターは最高出力が+16ps、最大トルクが+6Nmとなる136ps/208Nmへと向上している。先代から引き続きスノーモードとトレイルモードが搭載され、雪道や不整地でも高い駆動力を発揮する。
ロッククリークのパワートレインはベースグレードとなる中間グレード「X e-4ORCE」グレードとまったく同じであり、1.5Lの直列3気筒可変圧縮ターボエンジンで発電し、モーターのスペックもフロントが最高出力204ps/最大トルク330Nm、リヤ136ps/195Nmと共通だ。100%モータードライブとなるエクストレイルの滑らかで力強い加速感と静粛性はミドルSUVカテゴリにおいて随一と言ってよいだろう。
しかし、RAV4もボディ剛性の強化に加え、新たに高減衰接着剤を採用することで静粛性を高めているほか、サスペンションダンパーはレクサス向けと同じものが新規採用されている。新たにオルガン式のアクセルペダルを採用した点も大きなトピックだ。
RAV4のWLTCモード平均燃費は、先代から微増となる22.9km/L。対するエクストレイルのロッククリークは、持ち込み登録車となるため正確な燃費数値は公表されていないが、スペックから推察するに標準エクストレイルと同じ18.1km/Lとなるだろう。RAV4の高い燃費性能は新型でも健在だ。
トヨタ RAV4 Adventure
エンジン形式=直列4気筒ガソリンエンジン+モーター
排気量=2487cc
最高出力=186ps/6000rpm
最大トルク=221Nm/3600-5200rpm
トランスミッション=電気式CVT
駆動方式=4WD
日産 エクストレイル ROCK CREEK e-4ORCE
エンジン形式=直列3気筒ガソリンターボエンジン+モーター
排気量=1497cc
最高出力=144ps/4400-5000rpm
最大トルク=250Nm/2400-4000rpm
トランスミッション=単速
駆動方式=4WD
RAV4アドベンチャーにはない魅力を持つエクストレイル ロッククリーク


RAV4の最廉価グレードとなるアドベンチャーの新車価格は450万円、エクストレイル ロッククリークは475万6400円だ。RAV4は、ガソリンモデルが廃止されたこともあって割高感は否めないが、先代アドベンチャーグレードのハイブリッドモデルとの比較では20万円ほどの価格上昇に抑えられている。
車体各部の改良に加え、新型RAV4は安全運転支援システムも最新世代へアップデートされたほか、12.9インチの大型ディスプレイや、周辺映像をスワイプで確認できる3Dビュー機能付きパノラミックビューモニターを導入。そのほか、音声操作の応答速度も高速化されるなど、あらゆる点で性能向上を果たしたと言ってよいだろう。
エクストレイルもマイナーチェンジでGoogle搭載のインフォテインメントシステムを採用したほか、アラウンドビューモニターにはクルマの周囲をボンネットの下まで確認できるインビジブルフードビュー&3Dビュー機能を追加している。ただし、これらの装備はオプションだ。
RAV4は絶対的な価格の高さや、コネクテッドナビゲーションシステムのサブスクリプション制導入の懸念点もあるが、各性能を考慮すればコストパフォーマンスは依然として高い。強いて欠点を挙げるとすれば、先代よりもオフロードカーらしい野性味が薄まってしまった点くらいだろう。
対するエクストレイルのロッククリークは、タフ&ラギッド感を前面に押し出したモデルだ。ベースグレードとなる「X e-4ORCE(434万9400円)」にプラス約40万円の費用は決して安くはないが、新型RAV4に対抗しうる十分な性能と使い勝手に加え、新型RAV4とは異なる趣向のエクステリアが備わっている。
車両本体価格
トヨタ RAV4 Adventure:450万円
日産 エクストレイル ROCK CREEK e-4ORCE:475万6400円
