
東京オートサロン2026の会場に展示されたクルマのうち、最年長と思われるのが「観音開き」と呼ばれる初代クラウン。まさかオートサロンの会場で「観音開き」と会えるとは思ってもみなかった。初代クラウンは旧車イベントの会場でも見かけることは稀な存在で、残存数は少なくないものの多くの場合ガレージで保管されたままだと思われる。

ところが今回展示されたクラウンは実動車で、内外装ともにフルレストアされていた。展示されたブースはブレーキメーカーのエンドレスで、ここ数年オートサロンの会場に旧車を持ち込むことが恒例となっている。展示される旧車はいずれもフルレストアされたうえで、ホイールをインチアップして同社製ディスクブレーキを装備することも共通している。


今回のクラウンも御多分に洩れず16インチのエンケイ92ホイールを履かせてディスクブレーキ化してあった。そもそも初代クラウンのタイヤサイズは6.40-15のバイアスで、ラジアルに換算すると165-15となり細くて径が大きい。今回のクラウンが履いているのはブリヂストンALENZAで前後とも175/80R16で、純正よりワンサイズアップといったところ。

初代クラウンの特徴である「観音開き」ドアは、当時まだ多かった日本髪の女性が髪を乱すことのないように設計されたもの。腰から乗り込め上下高があるため、通常のドアより有利だった。またデラックスだと西陣織のシートと内張が採用されたが、現車はいつの時代にか張り替えられたようだ。今回のレストア時には装着されていたものと同様の生地で張り替えられている。

インストゥルメントパネルも綺麗に化粧直しされていて、計器類やスイッチまで新品のようにされていた。ただステアリングホイールはナルディ製に変更されている。これも実働車を目指してレストアされたためだろう。純正の径が大きくグリップの細いステアリングより操作性に優れると思われる。

1453ccのR型直列4気筒OHVエンジンは完全にオーバーホールされていて、いつでも始動させることが可能とのこと。キャブレターを含め補修部品の確保には苦労されたことと思われるが、その仕上がりは見事というほかない。また現車にはFUJITSUBO製の特注マフラーが組み合わされていた。

国産旧車に乗るうえで最大の注意点がブレーキ。前後ともドラムの場合は特に慎重な運転が求められ、ディスクブレーキに慣れている人が急に乗ると効き具合の違いにヒヤリとすることだろう。ところがエンドレスがレストアしてきた旧車たちには同社製ディスクブレーキが装備されているので、旧車初心者でも安心して乗れそうだ。もちろんドラムからディスクへブレーキを変更すると構造変更にあたるため改造申請が必要になる。とはいえエンドレスには豊富なデータが蓄積されているはずだ。

