後席はやや狭いCX-5だが、使い勝手は新型RAV4以上




CX-5の新グレード「XDドライブ エディション」は、「エクスクルーシブモード」に替わって本革シート標準装備とした最上級グレードだ。そのほか、ドアミラーとフロントグリルがピアノブラックで塗装され、グリルのベゼル部分はブラッククロームで縁取りされた外観も特徴となる。
ボディサイズはCX-5の方がややコンパクトであり、後席膝周りの空間は拳ひとつ分ほどRAV4の方が広い。しかし、後席の頭上空間はCX-5の方がわずかに余裕がある。これはCX-5の後席着座位置が低いことも影響しているだろう。
どちらも後席にリクライニング機能は備わるが2段階程度で快適度合いは同等と言える。後席の乗降性はリヤドアが90度近くまで開くCX-5の方が高そうだ。
荷室寸法はRAV4が長さ961mm×幅1002mm×高さ847〜933mm、CX-5は950mm×1040mm×750〜790mmで同等と言ってよいだろう。どちらもラゲッジボードが2段階調整可能となっているが、最大荷室容量は522リットルのCX-5に対しRAV4は749リットルと大きな差がある。
新型RAV4は、後席を倒したときの荷室床面の傾斜が抑えられたうえ、荷室開口部とラゲッジボード間にあったわずかな段差も解消され荷室が使いやすくなった。しかし、CX-5には荷室から後席を倒せるスイッチが備わるため使い勝手では負けていない。
トヨタ RAV4 Z
ボディサイズ=全長4600mm×全幅1855mm×全高1680mm
ホイールベース=2690mm
車両重量=1720kg
タイヤサイズ=235/60R18(前後)
マツダ CX-5 XD Drive Edition
ボディサイズ=全長4575mm×全幅1845mm×全高1690mm
ホイールベース=2700mm
車両重量=1650kg
タイヤサイズ=225/55R19(前後)
燃費性能で勝るのはRAV4! しかし、ランニングコスト差はそれほど大きくない?


両車のパワートレインは大きく異なる。RAV4は2.5L 直列4気筒エンジンにシリーズパラレルハイブリッドのTHS-IIを組み合わせた構成であり、駆動方式は後輪をモーターで駆動するE-Fourだ。
CX-5はアシストモーターすら備わらない2.2Lの純ディーゼルエンジンと6速ATの組み合わせとなる。駆動方式はFFと4WDが選択可能であり、FFを選べる選択肢の広さは、4WDの設定しかないRAV4に対するCX-5の強みと言ってよいだろう。
RAV4は先代よりもエンジンの最高出力が9ps向上し、フロントモーターも最高出力が+16ps、最大トルクが+6Nmとなる136ps/208Nmへと向上。リヤモーターのスペックは54ps/121Nmのまま変わっていない。
回転初動から最大トルクを発揮できるモーターの特性により、発進加速の軽やかさはRAV4が優れる。一方、わずか2000rpmでRAV4のシステム最大トルクを大きく上回る450Nmものトルクを発揮できるCX-5は、回転数を低く抑えながらの高速巡航が得意だ。
4WDしか選べないRAV4だが、モーター駆動のE-Fourは燃費の低下を最小限に抑えられる。先代から引き続きスノーモードとトレイルモードが搭載され、電子制御ブレーキシステムと駆動制御の連携が高度化されたことでコーナリング時の姿勢変化抑制に加えて悪路からの脱出性能も高められた。
同様に、「G-ベクタリング コントロール プラス」が搭載されるCX-5も、駆動制御とブレーキ制御により走行時の姿勢変化を抑える制御が組み込まれる。
両車のWLTCモード平均燃費はRAV4が22.5km/L(Z 4WD)、CX-5は17.4km/L(XDドライブエディション FF)だ。燃料代が安く済むのはもちろんRAV4の方だが、CX-5はレギュラーガソリンに比べて単価が安い軽油であるため、燃費数値ほどランニングコストに差は出ない。
CX-5の4WDモデルは、FFモデルに対して23万円高で燃費は16.6km/Lに低下するが、スタック脱出をサポートする「オフロード・トラクション・アシスト」も搭載されるため、十分にRAV4に対抗できる性能を持ち合わせている。
ただし、CX-5のディーゼルモデルは極短距離走行を繰り返すと調子を崩しやすい傾向にある点に注意が必要だ。街乗り主体ならRAV4の方が使いやすいだろう。
トヨタ RAV4 Z
エンジン形式=直列4気筒ガソリンエンジン+モーター
排気量=2487cc
最高出力=186ps/6000rpm
最大トルク=221Nm/3600-5200rpm
トランスミッション=電気式CVT
駆動方式=4WD
マツダ CX-5 XD Drive Edition
エンジン形式=直列4気筒ディーゼルターボエンジン
排気量=2188cc
最高出力=200ps/4000rpm
最大トルク=450Nm/2000rpm
トランスミッション=6速AT
駆動方式=2WD(FF)
「CX-5 XDドライブエディション」の快適装備はRAV4のZグレード並


2025年12月に発売された最新のRAV4と、2017年に登場したモデル末期のCX-5を比べれば、RAV4の方が優れたクルマとなるのは当然の結果であろう。
RAV4はスマートフォンをキー代わりにできるデジタルキーが利用できるうえ、小ぶりなレバーでシフト操作をするエレクトロシフトマチックやカラーヘッドアップディスプレイ、音声応答の大幅な高速化を果たしたインフォテインメントシステムなど、トヨタ初となる機能が満載されており、先進性ではCX-5の遥か先を行く。
しかし、RAV4は価格が高い。両車の新車価格は「RAV4 Z」が490万円、「CX-5 XDドライブエディション」は390万1700円だ。
約100万円安くとも、CX-5の新しい最上級グレード「XDドライブエディション」の前席には、ベンチレーション機能&シートヒーター付き電動シートとステアリングヒーターが備わっており、2ゾーンエアコンや後席シートヒーター、ハンズフリーバックドアも標準装備だ。
CX-5の快適装備の充実度合いはRAV4の上級グレード「Z」と概ね同等であり、廉価グレード「アドベンチャー(450万円)」よりも上となっている。
各メーカーのミドルサイズSUVは高額化しており、2026年春の日本発売が噂される新型CX-5も当然のように値上げされるだろう。長距離運転が主体の使い方であり、かつ最新のデジタルデバイスよりも実用的な快適性を求める人にとってなら、現行型CX-5が今もっともハイコスパなミドルサイズSUVだろう。
車両本体価格
トヨタ RAV4 Z:490万円
マツダ CX-5 XD Drive Edition:390万1700円
