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日本自動車殿堂は日本の自動車関連のイヤー賞のひとつだ。この日本自動車殿堂の持つ最大の特徴は、「日本の自動車産業に特化した顕彰体系」である点だ。北米の自動車殿堂の制度を参照しつつも、日本固有の産業構造、技術者文化、ものづくりの歴史に寄り添った基準を確立しており、世界的な人物評価とは異なる独立性を保っている点が特徴だ。つまり日本の自動車業界に貢献した、という視点にフォーカスしての選考となっている。
特に、戦後の量産技術革新や小型車の普及、安全・環境技術の進化など、日本が世界に先駆けて切り拓いてきた分野を丁寧に掘り下げることができる点は大きい。また、メーカーの宣伝とは距離を置き、中立的な立場から人物と技術の本質を伝える姿勢を貫くことで、日本自動車史の証言者として重要な役割を担っているものなのだ。
そして2025年の殿堂者として選ばれたのは、長年にわたり自動車文化の普及と成熟に貢献してきた鈴木脩己氏である。三栄書房(現・株式会社三栄)の二代目社長として、多くの雑誌創刊やモーターファン誌の独自企画「モーターファン・ロードテスト」の体系化など、メディアを通じてクルマの性能や魅力と知識を広く発信し続けた功績が高く評価された。メーカーや技術者だけでなく、文化を支えた人物を積極的に顕彰する点は、日本自動車殿堂が掲げる“広義の自動車文化”の考え方を象徴するものだ。
併せていくつかの賞が決定されている。歴史遺産車としては、1954年のスミノエ・フライングフェザー、1960年のミンセイ6TW12、そして77年のダイハツ・シャレードの3台が選ばれた。戦後復興期の合理設計、大型トラックの技術革新、そして大衆小型車の成熟というそれぞれの文脈を象徴するモデルであり、単なる名車選定ではなく日本社会の動きを映す“歴史資料”としての価値が強調されている。
さらに、2025〜2026年のイヤー賞では、ホンダN-ONE e: が乗用軽EVとしての完成度でカーオブザイヤーを受賞。インポートカーにはフォルクスワーゲンID.Buzzが選ばれ、クラシックな意匠とEV化の両立が高く評価された。デザイン賞には新生プレリュード、テクノロジー賞には、世界初となるサイクリスト対応歩行者保護エアバッグを搭載したスバル・フォレスターが輝いた。



