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自衛隊新戦力図鑑水中防衛用小型UUVとは?
海上自衛隊はSNSに「~水中防衛用小型UUV納入~」と題し、写真を添えて「国内開発したUUV(水中無人機)が、新たに納入されました」と投稿した。投稿にはそれ以上の情報がなく、現時点では用途や能力は明らかではない。その形状は細長い魚雷型であり、投稿へのリプライでは攻撃用であると考えている人も少なくないようだった。
「水中防衛用小型UUV」の名称は、令和2年度(2020年度)防衛予算の概要説明に登場し、そこでは「自衛隊員の安全を確保するため遠隔管制により目標海域に進出し、その場において我が国に侵攻する相手方艦艇を阻止する能力を有するUUV」と記されている。また、「水中防衛用小型UUV1型」および「2型」が、それぞれIHI、三菱重工と契約が結ばれていることも、公開情報から明らかとなっている(なお、今回公開されたものと、これらの関連は現在のところ不明)。

海上自衛隊の水中無人機
海上自衛隊では、すでに複数の水中無人機を活用している。機雷捜索のためのもので、浅深度用の「OZZ-1」「OZZ-3」や、より深い深度で運用できる「OZZ-2」「OZZ-4」、そして「もがみ」型護衛艦に搭載されている「OZZ-5」などがある。これらは母艦から離れ、事前にプログラムされた海域を捜索するもので、母艦が機雷敷設のおそれがある海域に接近することなく、機雷捜索を実行できる。

また、防衛装備庁では「長期運用型UUV」という大型UUVの研究・開発も行なっている。こちらはモジュール構造を採用し、航行に必要な主要構成部分のみで全長10m程度、任務遂行に必要なさまざまな機能を搭載した追加モジュールを加えると全長16m程度にもなる。文字通り「長期運用」を目的としたもので、AI(人工知能)による自律航行で長距離・長期間の任務を遂行する。広い海洋で、有人アセット(潜水艦など)に替わって警戒監視や観測任務を遂行することが考えられている。

水中防衛用小型UUVの能力と役割
さまざまな水中無人機の導入を進めるなかで、水中無人機の管制技術の研究も進んでいる。水中は電波が通じないため、空や地上の無人機とは勝手が違うためだ。現在、光や音波を用いた通信が研究されている。また、一機のリーダー役(管制型)無人機が、複数の水中無人機を管制する群制御技術の研究も行なわれており、単機ではなく、ネットワーク化して戦うことも想定されている。

さて、冒頭でも述べたとおり、現時点で水中防衛用小型UUVの用途は不明だ。写真を見たところ、船体にヒンジのようなものが確認でき、搭載装置を換装し、さまざまな機能を持たせることができるかもしれない。魚雷のような見た目ではあるが、多機能なUUVを使い捨て攻撃に使用することは考えにくく、警戒監視・情報収集などが主な用途になると思われる。
