2025年のミニバン販売台数トップ10

| 順位 | メーカー・モデル | 年間販売台数 | 前年比 |
| 1位 | トヨタ・シエンタ | 106,558台 | 95.9% |
| 2位 | ホンダ・フリード | 90,437台 | 105.9% |
| 3位 | トヨタ・アルファード | 86,959台 | 109.6% |
| 4位 | トヨタ・ノア | 80,065台 | 113.4% |
| 5位 | トヨタ・ヴォクシー | 78,760台 | 111.5% |
| 6位 | 日産・セレナ | 71,465台 | 88.3% |
| 7位 | ホンダ・ステップワゴン | 57,053台 | 103.5% |
| 8位 | トヨタ・ヴェルファイア | 33,031台 | 99.8% |
| 9位 | 三菱・デリカD:5 | 24,383台 | 122.6% |
| 10位 | トヨタ・ハイエースワゴン | 8,989台 | 126.8% |
シエンタが示した「ちょうどいいミニバン」の強さ
首位となったトヨタ・シエンタは、2025年も安定した販売を維持し、ミニバン市場の中心的な存在であり続けた。
シエンタはコンパクトなボディサイズながら、前後席のゆとりあるスペースと広い室内高を確保しており、家族や荷物を載せた日常使いに十分な余裕がある点が魅力だ。視界が広く運転のしやすさにも優れ、都市部の狭い道路や駐車場でも扱いやすい点が支持された。こうしたサイズ感は、大型ミニバンほどの大きさは必要ないが、軽自動車では手狭という層のニーズを的確に捉えている。
また、両側スライドドアによる乗降のしやすさに加え、荷室やシートアレンジの自由度も高く、日常の使い勝手の良さが評価されている。燃費性能や安全装備の充実も高く評価され、「日常使いに無理がないミニバン」としての地位を確立した。
トヨタ一強の中で存在感を示したホンダ勢
トップ10の中でトヨタ車が多数を占めるなか、2位に入ったのがホンダ・フリードだ。年間販売台数は90,437台と高水準を維持し、トヨタ一強の市場においても明確な存在感を示した。
フリードはコンパクトなサイズながら、ゆとりある室内空間と多彩なシートアレンジで使い勝手の良さを高めている。最大7人乗りにも対応し、2列目シートは前後スライドで乗員や荷物への配慮も効いている。また、視界が広く小回りが利くため、狭い道路や駐車場でも扱いやすい点が評価された。こうした「大きすぎず、小さすぎない」バランスが、家族層を中心に支持されたと言える。
さらに、最新モデルでは先進安全装備「Honda SENSING」を全グレードに標準搭載し、日常の運転負荷や安全性にも配慮している。こうした実用性の高さが、フリードの販売上位定着につながっている。
また、7位にはホンダ・ステップワゴン(57,053台)がランクインした。多彩なシートアレンジ機構によりさまざまな使い方に対応可能で、走行性能と居住性を両立し、実用志向のユーザーから安定した支持を得ている。
ミニバン市場を形づくる主要モデル
3位のアルファード(86,959台)と8位のヴェルファイア(33,031台)は、高価格帯ながら安定した販売を記録した。上質な内装、快適装備、静粛性といった価値を求める層が一定数存在することを示している。
一方、4位のノア(80,065台)、5位のヴォクシー(78,760台)は、価格・サイズ・使い勝手のバランスに優れた定番ミニバンとして堅調に推移した。ファミリー層の実用車として確固たる地位を維持している。
トヨタ勢が上位を占める中でも、他メーカーの存在感は無視できない。6位の日産・セレナ(71,465台)は、e-POWERなどの先進技術と居住性を強みに、主要モデルの一角を占め続けた。前年比は88.3%と減少したものの、依然として市場の中核を担う車種である。
9位の三菱・デリカD:5(24,383台)は、SUV的な走破性とミニバンの実用性を併せ持つ独自性が評価された。前年比122.6%と伸長し、アウトドア志向のユーザーを中心に需要を拡大した。
2025年のミニバン市場が示した方向性
2025年のミニバン販売データから見えてくるのは、「大きさ」や「豪華さ」だけでなく、日常で無理なく使えることが重視される市場構造である。
首位のシエンタ、2位のフリード、そしてミドルクラスのノア・ヴォクシーはいずれも、日本の道路環境や駐車事情に適したサイズ感を備えている。狭い道でも扱いやすく、家族で使う際の実用性も確保されている点が共通している。
一方で、アルファードやヴェルファイアが上位に入ったことは、「快適性や上質さ」を求める層が依然として一定数存在することを示した。実用性を重視する流れの中でも、高級ミニバンへの需要は底堅い。
2026年以降は電動化や安全技術の進化がさらに進むとみられるが、ミニバン市場では引き続き「サイズ・価格・使い勝手のバランス」が競争の軸となるだろう。性能や装備だけでなく、生活との相性がより強く問われる段階に入ったと言える。
