基本情報
レクサス・NXは、レクサスが展開するミドルサイズのプレミアムSUVである。名称の「NX」はNimble Crossover(機敏なクロスオーバー)に由来し、都市部での取り回しやすさとSUVとしての存在感・走破性を両立することを狙って開発されたモデルだ。
2014年に初代が登場し、2021年に現行の第2世代へフルモデルチェンジした。第2世代(AZ20型)では、走行性能・デザイン・先進技術が全面的に刷新され、次世代LEXUSの第1弾モデルとして位置づけられている。
プラットフォームにはTNGAのGA-Kプラットフォームを採用し、軽量かつ高剛性なボディ構造によって、操縦安定性や快適性が従来型から大きく向上した。
また、NX350(ガソリンターボ)をはじめ、NX350h(ハイブリッド)、NX450h+(プラグインハイブリッド)といった複数のパワートレインが用意されている。これにより走りの力強さ、燃費性能、環境性能といった多様な価値観に応じた選択が可能になっている点が特徴だ。
代表グレード例(NX350h/ハイブリッド・2WD)

| 項目 | 数値・仕様 |
| 駆動方式 | 2WD(FF) |
| エンジン型式 | A25A-FXS |
| エンジン最高出力[NET] | 140kW(190PS)/6,000r.p.m. |
| エンジン最大トルク[NET] | 243N・m(24.8kgf・m)/4,300~4,500r.p.m. |
| フロントモーター最高出力 | 134kW(182PS) |
| フロントモーター最大トルク | 270N・m(27.5kgf・m) |
| トランスミッション | 電気式無段変速機 |
| 全長×全幅 | 4,660mm × 1,865mm |
| 全高 | 1,660mm(標準)/1,675mm(OVERTRAIL) |
| ホイールベース | 2,690mm |
| 乗車定員 | 5名 |
| WLTCモード燃費(国交省審査値) | 22.2km/L |
| 使用燃料 | 無鉛プレミアムガソリン |
| 燃料タンク容量 | 55L |
| 最小回転半径 | 5.8m |
代表グレード(NX350/ガソリン・AWD)

| 項目 | 数値・仕様 |
| 駆動方式 | 4輪駆動(AWD) |
| エンジン型式 | T24A-FTS(インタークーラー付ターボ) |
| エンジン最高出力[NET] | 205kW(279PS)/6,000r.p.m. |
| エンジン最大トルク[NET] | 430N・m(43.8kgf・m)/1,700~3,600r.p.m. |
| 燃料供給装置 | 筒内直接+ポート燃料噴射装置(D-4ST) |
| トランスミッション | Direct Shift-8AT(電子制御8速オートマチック) |
| 全長×全幅 | 4,660mm × 1,865mm |
| 全高 | 1,660mm(標準)/1,675mm(OVERTRAIL) |
| ホイールベース | 2,690mm |
| 乗車定員 | 5名 |
| WLTCモード燃費(国交省審査値) | 11.7km/L |
| 使用燃料 | 無鉛プレミアムガソリン |
| 燃料タンク容量 | 55L |
| 最小回転半径 | 5.8m |
代表グレード(NX450h+/プラグインハイブリッド)

| 項目 | 数値・仕様 |
| 駆動方式 | E-Four(電気式4輪駆動方式) |
| エンジン型式 | A25A-FXS |
| エンジン最高出力[NET] | 136kW(185PS)/6,000r.p.m. |
| エンジン最大トルク[NET] | 228N・m(23.2kgf・m)/3,600~3,700r.p.m. |
| フロントモーター最高出力 | 134kW(182PS) |
| フロントモーター最大トルク | 270N・m(27.5kgf・m) |
| リヤモーター最高出力 | 40kW(54PS) |
| リヤモーター最大トルク | 121N・m(12.3kgf・m) |
| 駆動用主電池 | リチウムイオン電池(総電力量 18.1kWh) |
| トランスミッション | 電気式無段変速機 |
| 全長×全幅 | 4,660mm × 1,865mm |
| 全高 | 1,660mm(標準)/1,675mm(OVERTRAIL) |
| ホイールベース | 2,690mm |
| 乗車定員 | 5名 |
| WLTCモード燃費(国交省審査値) | 19.6km/L |
| 充電電力使用時走行距離(プラグインレンジ、国交省審査値) | 87km |
| 交流電力量消費率(WLTC、国交省審査値) | 172Wh/km |
| 使用燃料 | 無鉛プレミアムガソリン |
| 燃料タンク容量 | 55L |
| 最小回転半径 | 5.8m |
NXの魅力
レクサス・NXの最大の魅力は、「上質さ」と「使いやすさ」をバランスよく両立している点である。プレミアムSUVとして静粛性にこだわり、吸音材や車体構造の工夫によってロードノイズや風切り音を効果的に低減しているため、長距離移動でも疲れにくい快適な空間が保たれている。
とくにハイブリッドモデルのNX350hは、発進時や低速域でモーター走行が中心となり、静かで滑らかな加速感を実現する。この特性は、日常の街乗りや巡行時における快適性を高めるうえで大きな利点となっている。
一方で、ガソリンターボのNX350は、大トルクを活かした力強い加速と、AWDによる安定した走りを特徴としており、「静かさ」と「動力性能」という異なる価値を選べる点も魅力だ。
内装の質感はクラス水準以上であり、曲線を描くインパネやレザーを多用した空間により、プレミアムSUVらしい満足感がある。また後席スペースにも余裕があり、家族での利用、長距離ドライブといった用途にも対応できる実用性も備えている。
装備面では、大型ディスプレイ、スマートフォン連携、先進運転支援システム(Lexus Safety System+)などが標準化されており、日常使いの利便性と安全性能が高い次元でまとまっている点も特徴の一つだ。
さらに、ハイブリッド(NX350h)とプラグインハイブリッド(NX450h+)という電動化モデルが用意されており、環境性能や燃費効率を重視するユーザーにも配慮されたラインアップとなっている。
NXの気になるポイント
完成度の高いレクサス・NXだが、気になる点も存在する。
まず価格水準が高めである点は、多くのユーザーが指摘するポイントだ。装備や質感はプレミアムSUVとして充実しているものの、同クラスの一般ブランドSUVと比べると購入コストは高くなりやすい。オプションやパッケージ装備を充実させると、さらに価格が上昇する傾向がある。
また、乗り味は全体に快適性重視のセッティングであり、スポーティな走りを強く求めるユーザーには物足りなく感じられる可能性がある。ただし、力強い走りを求める場合はNX350という選択肢があり、用途に応じて性格の異なるモデルを選べる点は評価できる。
加えて、車両サイズに関する注意点も押さえておきたい。NXは全幅が1,865mmと比較的大きく、都市部の狭い道路や立体駐車場、商業施設の駐車スペースでは取り回しに気を使う場面がある。また、最小回転半径は大きめであるため、小回り性能に不安を感じるユーザーも少なくない。
さらに、ハイブリッドやプラグインハイブリッドではバッテリー搭載による重量増があり、燃費や動力性能に良い面だけでなく重量による操縦特性の違いを意識する必要がある。PHEVモデルは充電インフラの有無によって使い勝手が左右される点も、事前に確認しておきたい。
NX 中古車市場
現行型のレクサス・NXは中古車市場において流通台数が増えてきており、年式や走行距離、グレードによって幅のある価格帯で取引されている。とくに人気の高いNX350hは性能・燃費・装備のバランスから安定した需要があり、現行型の中古車では中心的な存在となっている。
具体的な価格相場をみると、NX350hは車両本体価格でおおむね500〜580万円台の出品が多い。2022〜2023年式で走行距離が2万〜4万km程度の個体を基準にすると、支払総額でも500万円台前半から後半が中心価格帯となる例が複数見られる。
一方、ガソリンモデルのNX350は、同じ現行型でもハイブリッド(NX350h)よりやや高めの相場を形成している。中古市場ではおおむね580〜650万円前後が中心レンジで、2022〜2023年式・低走行の個体では本体価格590〜630万円台、支払総額で600万円前後〜650万円程度の出品が目立つ。走行距離が少なく装備が充実した個体ほど600万円台半ばに近づく傾向が見られた。
総じて、現行型の中古NXは年式・装備・走行距離によって価格差が出やすいが、NX350hは500万円台半ば〜600万円前後、NX350は600万円前後〜650万円台が実勢の中心帯といえる。
初期の現行モデル(2021〜2022年式)は登録から時間が経過し始めているため、条件次第では価格がややこなれてくる傾向も見られる。購入時には走行距離や装備、整備履歴を踏まえて複数の個体を比較することが重要だ。
NX 中古車 注意点
ハイブリッド/PHEVのバッテリー関連
中古でレクサス・NXを選ぶ際は、まずNX350hを検討する場合のハイブリッドバッテリーの状態確認が重要だ。
バッテリーは経年・走行距離とともに劣化する可能性があるため、保証期間や交換歴、診断結果を事前に確認しておきたい。ディーラー整備記録や診断機による検査結果の提示を求めると安心感が高まる。バッテリー交換の目安や費用についても、事前に整備工場等で相談しておくとリスク回避につながる。
現行型にはPHEVモデル(NX450h+)も存在するが、中古で検討する場合は充電インフラの有無やバッテリー容量・劣化状態のチェックが必要不可欠だ。自宅や生活圏に充電環境がない場合、PHEVのメリットを十分に活かせない可能性があるため、ライフスタイルとの適合性を慎重に見極めたい。
整備履歴・消耗品の確認
車両の整備履歴の有無を確認することも大切なポイントだ。定期点検記録簿や整備記録が残っている個体は、前オーナーが計画的にメンテナンスを行っていた可能性が高く、トラブル発生リスクを低減しやすい。特にオイル交換やブレーキ、サスペンション系の整備履歴は、SUVという車種特性を考えると重要性が高い。
また、走行距離に応じた消耗品の状態確認も欠かせない。タイヤ、ブレーキパッド、サスペンションブッシュなどは走行距離に応じて交換時期が近づくため、摩耗状態や交換履歴を販売店に確認しておきたい。購入後1年〜2年の点検整備が付帯する車両であれば、突発的な出費リスクをある程度抑えられる。
グレード・装備差のチェック
レクサス・NXはグレード構成が多彩であり、装備差やパッケージ差の確認が重要だ。version L、F SPORT、OVERTRAILなどのパッケージによって、内装の質感、サスペンション特性、タイヤ・ホイールサイズ、快適装備の有無が大きく異なる。
見た目の装備だけでなく、先進安全装備(アダプティブクルーズ、レーンキープ支援など)の標準・オプション設定や、メーカーオプションの有無も確認すべきポイントだ。用途や好みに合った仕様かどうかを、価格だけでなく装備内容と照らし合わせて判断したい。
NX フルモデルチェンジ
レクサス・NXは2014年に初代が登場した。初代はレクサスとしては比較的小型のプレミアムSUVとして投入され、都市型SUVとしての地位を確立したモデルである。
2021年には第2世代(型式:AZ20)へとフルモデルチェンジを果たし、プラットフォームをTNGA(GA-K)へ刷新したことで、ボディ剛性の向上、乗り心地の改善、静粛性の強化といった基本性能の底上げが実現された。加えて、インフォテインメントシステムの進化や、安全運転支援システムの機能強化も図られ、前モデルから大きな進化を遂げた。
第2世代のトピックとしては、NX350hやNX450h+といった多様な電動化パワートレインの投入が挙げられる。とくにNX450h+はNXとして初のPHEVモデルであり、電気のみでの走行や高い静粛性と加速性能を両立したハイブリッドモデルとして評価されるようになった。
2026年にかけては、第2世代モデルの発売から5年が経過することから、マイナーチェンジが実施される可能性が高いとみられている。
改良内容は確定情報ではないものの、エクステリアの刷新やヘッドライトのシャープ化といった意匠変更が噂されている。一方で、細かな装備や仕様の見直しといった部分的な改良にとどまる可能性も指摘されており、新型イメージについては今後の正式発表が待たれる状況だ。
モデルチェンジの正式な時期や詳細な内容はまだ発表されていないものの、現状では大規模刷新というよりはマイナーチェンジ寄りの更新が主となる可能性が高いと見られている。これにより、デザインのブラッシュアップや装備・安全性能のアップデートが中心となり、NXの競争力を維持する方向性が想定される。
NX やめとけ?
レクサス・NXは総じて完成度の高いプレミアムSUVだが、購入したことを後悔するユーザーの声も一定数存在する。
まず代表的な意見として挙がるのが、価格に対するコストパフォーマンスの評価だ。NXは新車価格が500万円台〜700万円台と高額になりやすく、同価格帯・同クラスのSUVと比較すると「価格差ほどの価値があるか微妙」という声が見られる。とくにブランド力や内装の質感を重視しないユーザーにとっては、割高感が意識されやすいという指摘も少なくない。
また、足回りに関する評価の分かれ方も注意点として挙げられる。NXは比較的ダイレクトなフィーリングを重視した足回り設定であり、街乗りや荒れた路面では「硬く感じられる」「ごつごつ感が気になる」といった評価がある。とくにファミリー層や快適性を優先したいユーザーにとっては、思った以上の硬さとして不満に繋がることがある。
加えて、積載性の物足りなさも後悔点として挙げられる点だ。デザイン優先のスタイリッシュなフォルムが評価される一方で、SUVとしてはラゲッジ容量が控えめであり、アウトドア用品や大きめの荷物を積む用途にはやや不向きという意見が見受けられる。
そのほか、ユーザーや試乗レビューでは、細かい不満点として足回り音やエンジン振動が室内に入りやすいという声や、インフォテインメント操作系のインターフェースがやや使いにくいという指摘もある。
これらの点は、NXの完成度やブランド力とは別の次元の話であり、ユーザーの期待値や使用環境によって評価が大きく変わる要素である。走行性能と静粛性、信頼性を高く評価するユーザーは満足度が高いというレビューも多いが、価格や快適性、実用性の優先度が高いユーザーには合わない可能性がある。
総じて、NXは「やめとけ」と断言できるモデルではないものの、価格と使い勝手のバランスを最優先する用途、乗り心地の柔らかさや積載性を重視する使い方、あるいはSUVとしての実用性を最優先する条件では、別の車種を検討した方が満足度が高まる可能性がある。
まとめ
レクサス・NXは、上質な内装、優れた静粛性、充実した安全装備、そして選択可能な電動パワートレインを備えた完成度の高いプレミアムSUVだ。
とくに代表例として取り上げたNX350h(ハイブリッド・2WD)は、価格・装備・燃費のバランスに優れ、日常使いから長距離移動まで幅広く対応できる。
一方、力強い走りを重視する場合はNX350(ガソリン・AWD)が有力な選択肢となる。
価格水準の高さやボディサイズといった注意点もあるため、購入にあたっては自身の用途や価値観と照らし合わせて検討することが大切だ。
