狭い場所でも軽自動車なら問題なく作業可能なんです!
シェイクダウンを終え、細部の煮詰め作業をスタート
毎年、京都・高雄嵐山パークウェイで開催される「アルト・ワークスミーティング」。全国からオーナーが集まるこのイベントのまとめ役を務める小野さんが、長年手塩にかけて育ててきたのがこのワークスだ。

エンジンから車体製作に至るまで、基本的な作業のほとんどを自らの手で行っているというから驚きだ。そして今回、小野さんは究極のネオクラ系チューニングとも言える電子制御スロットルの導入とフルコン化に挑戦。パーツの取り付けからセッティングまで、仕事終わりや休日を使ってコツコツと仕上げてきた。

「これまで何基も自分でエンジンを組んできましたが、最近はコストパフォーマンスを重視して純正パーツも積極的に使っています。きちんとセッティングすれば純正ピストンでも簡単には壊れないことが分かったんですよ(笑) タービンは定番のレガシィ用IHI F4を流用し、ポート研磨で効率を高めて全体のバランスを取っています。今回刷新した制御系では、電スロにZC72Sスイフト用を採用。純正の37φから45φへと大径化したことで、レスポンスと吸入量は確実に向上しているはずです。ECUはLINKのモンスーンを使っています。だいぶまとまってきましたね」と小野さん。

現在は余裕も出てきたが、ECUセッティングは完全な未経験からのスタート。当初はエンジンの始動すらままならず苦戦したという。しかしSNSで知り合ったプライベーターからベースデータを提供してもらえたことで、ようやくスタートラインに立つことができた。

純正はデスビによる点火システムだが、フルコン化に合わせてクランク角センサー信号を用いたダイレクトイグニッション化も実施。高回転・高過給でも安定した点火を可能にする重要なアップデートだ。

作業場は借りている住宅脇の細長い露天駐車スペース。Kカーを停めると人が通るのがやっとという狭さだが、縦に3台(雪ドリ用や部品取り車を含む)を置ける貴重な場所でもある。ドアの開閉もままならない環境ながら、整備からチューニング、エンジン換装までほぼすべてをここで行っている。

溶接機は行きつけのショップに置かせてもらい、マフラーも自作。エンジン、ボディ、パーツ製作まで幅広くこなす器用さは、まさにDIYチューナーの真骨頂だ。

タイヤはアドバンA050を装着。13インチゆえに、国産ハイグリップタイヤでも比較的コストを抑えられるのも軽自動車ならではの魅力だ。

「現在はブースト圧1.3キロ付近まで使えるようになりました。まだまだ勉強中ですが、今後は未体験の1.7キロまで高めて150psを目標に仕上げたいですね。電スロ化したのでアンチラグにも挑戦してみたいと思っています」と意欲を見せる。

最終目標は、全国のサーキットへこのワークスを持ち込み、その実力を確かめること。しかし走らせることと同じくらい、“自分で触る時間”も楽しみのひとつだという。小野さんのプライベートチューンは、これからも進化を続けていくに違いない。
